『春の常設展』

今年の春を飾る常設展は、爽やかな新緑の季節にふさわしい、可憐な花々や穏やかな色彩に包まれた自然の風景を描いた作品を中心に展示しています。
我先にと咲き誇る花たち、温かな光を浴びる山々、燃える若葉などを描いた作品からは、瑞々しい自然の息吹やいのちの力強さを感じていただけるでしょう。

◇展示作品◇
海老原喜之助「男の顔」「雪中行軍」「走馬灯」他
中間冊夫「道」「黒の人物」「赤の人物」
矢澤一翠「坊津風景」「あじさい」
安井曽太郎「裸婦」
藤田嗣治「海老」山口長男「海」
前畑省三「赤い地層」
長尾淘太「セントアイビス風景」「オリーヴの風景」
上石田哲夫「えびの(みやま霧島)」他

会場:三宅美術館2階絵画展示室
期間:平成22年4月1日(木)〜7月11日(日)(休館日:水曜)
5月2日(日)〜5日(水)はスタッフ研修につき臨時休館

『海老原喜之助・中間冊夫の素描展』

三宅美術館収蔵作品の中から海老原喜之助・中間冊夫の素描を一堂に展示しています。

戦後の混乱した社会の中で新たな創造の原点を模索して、憑かれたようにデッサンを繰り返す日々を送った海老原喜之助。

何度もデッサンを繰り返すことで自分のイメージを形象化し、その追求されたデッサンを元に構図を深く探求した中間冊夫

二人の繊細さと力強さを併せもつ描線の美しさと、個性溢れる筆致をご鑑賞ください。

■会場:2階絵画展示室
■期間:平成22年1月4日(月)〜3月28日(日)
■開館:10時〜16時半(休館日:水曜)
■入館料:一般300円、小中学生・70歳以上100円

本日より本田紘輝くんの作品を展示

連日お問い合わせを頂いております
本田紘輝くんの作品展を本日より下記の通り開催いたします。

会期:10月29日(木)〜11月10日(火)
時間:10:00〜16:30(水曜休館)
場所:三宅美術館ロビー
閲覧無料

たくさんの方々からご要望をいただいているにもかかわらず
急な企画で絵画展示室が利用できず、ロビーでご覧いただくこと、
予算の都合で期間が短くなってしまうことを申し訳なく思っております。
(会場設置の業者さんによる温かいご協力で開催の運びとなりました。感謝です。)

展示作品は場所が狭いため、展示作品は全部で絵画が9点と詩が2点ですが、
代表作の原画を展示いたしますので、この機会にぜひご覧下さい。

準備中は、あらためて紘輝くんのご両親に
それぞれの作品を描いた時の話をうかがったり、
紘輝くんの思い出話をしたり、楽しい展示作業でした。

市立美術館で開催した時同様
KOUKI基金の箱を設置させていただきております。
紘輝くんの夢にご賛同いただける方はご協力お願いいたします。

「温かな眼差し」展

働く庶民の姿。
日常の生活の一断片。
時代の強風に耐えながら力強く歩み続ける人々の生命力。
日々をただひらすらに生きることの美しさを
画家たちは温かな眼差しで見つめ みずみずしく描きました。
画家たちの描いた日常を「労働」「家族」「ひととき」の
テーマごとで展示しています。

金継ぎ

先日、茶碗を割りました。
もちろん、館の所蔵品ではなく、自宅で愛用しているものです。

でも、気持ちとしては
残念半分、待ってました!半分。

実は以前、東急ハンズで‘金継ぎセット’なるものを購入してたんです。

これは、‘修理’もできるし
‘金継ぎ’という日本古来の修理方法が勉強できるから一石二鳥です。

でも、そういう準備をしている時に限ってなかなか割らないものなんですよね。
で、ようやく割ったので、いそいそと金継ぎセットを引っ張り出してみたら…

材料がガビガビに固まってました

購入したのが4年前。
そりゃぁ固まります。
ということは、4年も割らなかったんだから、私は偉い!
ってことにしておきましょう。

↓金継ぎとかすがいで修理された皿

パーントゥ

ただ今開催中の「描いた女性と描かれた女性」展の中に、
前畑省三氏の「神女誕生・パーントゥ」という作品があります。
とても不思議な雰囲気の作品なので小中学生が興味深そうに見入っています。

このタイトルにもなっているパーントゥとは
沖縄県宮古島の島尻(しまじり)という地区で行われている厄除けの祭り
パーントゥプナカに登場する3体の仮面神のことです。

方言で「パーントゥ」とは異様な形相をしたもの
お化け、鬼神、妖怪という意味があり、
「プナカ」とは祭祀という意味があるそうです。
このパーントゥ神は全身にシイノキカズラ(つる草)を巻きつけ
その上から悪臭のする泥を塗り、
頭にはマータと呼ばれる草葉を結んだ厄除けをさしています。
手には仮面と杖を持っています。
そして、人々に泥を塗りつけて、害厄を追い払い、
無病息災をもたらしてくれるのです。

<参考文献>
(「島尻のパーントゥ調査報告書」平良市教育委員会発行:昭和60年3月)

パーントゥには男性が扮する決まりとなっていますが、
この作品では祭りの儀礼を行う神女とイメージを重ね合わせ
女性がパーントゥに扮しています。

このパーントゥは毎年10月の下旬もしくは11月の上旬に行われ、
最近はツアーなども組まれて、観光客も多いとか。

また、宮古島の隣に位置する多良間村で9月26日から行われる「多良間の八月踊り」は、
ユネスコの無形文化遺産の登録候補となっているそうです。

「描いた女性と描かれた女性」展

4日から始まりました「描いた女性と描かれた女性」展。

当館の収蔵品の中から
女流作家さんが描いた作品と、女性が描かれた作品を展示しています。

女性が描いた作品は力強いタッチで、強い色彩を使っていても
どこか包み込むような優しさが画面から漂ってきます。

男性が描いた女性たちは
きっと好みや理想がちょっと盛り込まれているのでしょう。
老いも若きも、描かれた女性は
どれも雰囲気のある魅力的な人物です。

1点‘描く女性’がモデルとなって‘描かれている’作品があります。
いつもキャンバスのこちら側にいる女性が
キャンバスの向こう側の立場になるってどんな気持ちだったのでしょうね。

アブラコウモリ

当館は時々思いもよらない生き物がやってきます。
去年はミドリ亀とアマガエル。
今年は、コウモリです。

といっても、コウモリは昨年から棲みついていたようですが、気がつかなかったんですね。

昨年春から、毎朝、美術館の正面玄関のアプローチに
何の生物か分からない糞が落ちているんです。
「鳥の糞でもない。春に増えるけど毛虫や芋虫の糞でもない。何だろう?」
不思議に思っていたら、なんと、アブラコウモリでした。

コウモリといえば、子供のころに夕方公園で石を真上に高く投げて
昆虫と間違って寄ってくるコウモリの数を競ったものです。

コウモリによって何か害があるわけではないのですが
よりによって正面玄関前に糞が落ちるので
早速、害虫駆除の業者さんに見に来てもらいました。

そうしたら、コウモリは鳥獣保護法の対象で駆除はできないのだそうです。
追い払っていなくなった隙に、戻ってこれないよう施工するしかないとのこと。

しかも、今は繁殖の時期で、間違いなく子コウモリもいると…。

で、よーく見たら、確かに小さなコウモリが…。

業者さんが棒でつつくと親コウモリが3頭飛んで逃げて
(潜んでいると3センチくらいなのに、飛ぶとツバメくらいある)
まだ飛べない全長2センチほどの子コウモリが1頭落ちてきました!

親が逃げてしまった以上、私たちはどうすることもできず
一生懸命身を隠す場所を探して地面を這う子コウモリを眺めるしかないのでした…。

第76回独立展 前売り券

日々陽射しが強くなって、紫外線が気になる今日この頃。
こんな時こそ美術館廻りですね☆

5月30日(土)〜6月7日(日)
鹿児島歴史資料センター黎明館で第76回独立展が開催されます。

独立美術協会は日本を代表する美術団体の一つです。
1930年に里美勝蔵、児玉善三郎、林武ら14名で設立された「1930年協会」が
後に独立美術協会となりました。
海老原喜之助や中間冊夫もこの独立美術協会の会員で、
生前、鹿児島での独立展開催に尽力されたそうです。

3年振りとなる鹿児島での独立展。
当日一般700円 → 前売り500円です。

前売り券は当館受付でもお取り扱いしています。
購入ご希望の方はお声を掛けて下さいね。

LEAP6月号

もうご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
鹿児島の情報誌、LEAPさんの6月号は
『大人だから楽しめる 初夏のおでかけ』特集です。

‐心がゆるむ時間を忘れていませんか?

素敵なサブタイトルですね。
GWが終わって燃え尽き症候群や5月病ぎみになっている方には
気持ちをリフレッシュするのにピッタリな特集です。

その中の一つとして、実は当館が紹介されているんです。
エントランスの噴水写真は初夏の空気感が素晴らしく表現されていてさすがプロ!
「中庭のお手入れ頑張らなきゃ!」と励みになりました。
また、すぐ傍にいる辻之堂の‘田の神さぁ’も登場。
地元人としては心くすぐられます。
何の指定も受けていない田の神さぁですが、私たちには愛着がありますから。

ちなみに、私たちスタッフの写真も掲載されています。
何度も「笑って」と要求されましたが、これがなかなか笑えず
ようやく撮れた1枚…のはずです…。

開催中の城ヶ粼悟さんの作品は、老若男女が癒されます。
ストレスで硬くなった心がほんわりとゆるむことでしょう。
ぜひ谷山散策にお越し下さい。