7月の開館日程

7月の開館日程です。

当館の休館日は毎週水曜日。
カフェの定休日は
美術館の休館日と日曜日です。

夏休み期間中
中学生以下は無料となります。

今年は椋鳩十の生誕120年ということで椋鳩十に関する企画を開催中。
教科書の「大造じいさんとガン」以来
椋作品に触れていないという方。
ぜひ当館企画展で椋鳩十の動物文学作家以外の一面に触れてみて下さい。

ハトの日

当館前ファサードの木に山鳩が出入りを繰り返しているので覗いてみると
木の中腹あたりに巣を作っている最中でした。
人が行き交うファサードは天敵のカラスが近寄らないので、なかなか賢い場所選びですね。
この巣から雛が巣立っていくのが楽しみです。

さて、「ハト」といえば8月10日は「ハトの日」です。
「ハトの日」は今年、作家の椋鳩十誕生120年という節目の年にスタートする椋鳩十の作品に触れる機会を増やし、読書や芸術に親しむ日です。

当館も現在開催している企画展を8月まで延長し、8月10日は椋鳩十が愛用していた薩摩焼を展示します。

また、当館駐車場と隣接する特別養護老人ホームみやびの地域交流センターでマルシェも開催されます。

詳しくは公式ホームページをチェックしてみて下さいね。

6月9日は何の日?

本日6月9日は椋(むく)の日です。
開館準備委員や初代理事を務めるなど、当館との縁も深い児童文学作家 椋鳩十は今年で生誕120年を迎えます。
当館では、「美術と文学の対話」展にて椋鳩十と関わりの深い画家の作品や椋鳩十の書、および「椋鳩十ゆかりの窯元展」にて椋鳩十の愛した薩摩焼の各地窯元の作品を展示しています。
椋鳩十と鹿児島の美術工芸との深い結びつきに関心を持っていただければ幸いです。

長尾淘太(椋鳩十と長年にわたり交流)・椋鳩十作品コーナー

長太郎焼 多数揃いました(ミュージアムショップ)

当館ロビーに設置しているミュージアムショップの「長太郎焼」コーナー、
商品をたくさん追加しました。
定番の鉄釉のカップ&ソーサーや菓子器をはじめ、瑠璃釉のデミダスカップやユニークな釉薬をまとった一輪生。

そして、鹿児島ならではの酒盃「せっかんチョク」!
(長太郎焼ではソラキュウを「せっかんチョク」と呼んでいます)
この酒盃は底が円錐状になっているので、つがれた酒を飲み干さないと置くことができない構造になっています。しかも、穴が空いているので、指で穴を塞いでおかないと酒が底から抜けてしまうのです。
今回は穴の空いていないせっかんチョクもご用意していますので、谷山土産にぜひお手に取ってみて下さい。

6月の開館日程

6月の開館日程です。
当館の休館日は毎週水曜日。
カフェの定休日は美術館の休館日と日曜日です。
雨の日は静かで美術鑑賞、カフェでのひと時に最適なシーズンですね。
ぜひ足をお運び下さい。

「椋鳩十ゆかりの窯元」作品紹介②

「錦手釣鐘と弁慶像」
12代沈壽官
明治20(1887)年~30(1897)年

園城寺(滋賀県大津市)所蔵の梵鐘にまつわる伝説、「弁慶の引き摺り鐘」に題材をとった捻物作品です。
弁慶の凛々しい表情や梵鐘、甲冑の質感など、ディテールの細かさが強い存在感を放っています。

首・腕・胴などパーツ毎に型取り技法で制作したのち、最後に手作業で貼り合わせ仕上げるつくりとなっています。

※「弁慶の引き摺り鐘」伝説とは
比叡山と園城寺が争っていたころ、弁慶が鐘を比叡山まで引き摺って強奪。撞いてみたところ、「イノー・イノー(関西弁で帰りたい)」と響いたので、怒って鐘を谷底へ投げ捨ててしまったという。

弁慶が鐘を引き摺る姿は、浮世絵や焼物など日本工芸のモチーフの一つとなっています。
余談ですが園城寺の鐘は高さ199㎝と大型で、身長2m余りとされる弁慶が「引き摺って」運んだというのも納得です。

「美術と文学の対話」作品紹介③

前回に引き続き、上橋 薫(うえはし かおる)作品の紹介です。

「馬(水辺初秋)」

作風から、おそらく前回の「親子馬(陽だまりの親仔)」(1970年)の後に制作されたと思われます。同じ馬の親子のモチーフでありながら、画風が大きく変化している様子が分かります。

馬の描写はより優美になり、なおかつ威厳すら感じさせます。
また青年期に坂本繫二郎から「色感が良い」と賞されたように、若い頃からカラリストとしての才を発揮していた上橋ですが、馬を描き続ける中でより見る人の陶酔を誘う、華やかかつ爽やかな色彩へと変化を遂げています。
前回の作品は筆触が作品にリズムを与えていたのに対し、本作は筆触が抑えられ、静けさに包まれた画面となっています。

あたかも見る人を非日常の世界へと誘うような引力を持つ作品です。

参考文献:
河北倫明「上橋 薫 個展によせて」『上橋薫作品集1980』

開館記念日

本日5月3日は、当館の開館記念日です。
38年前、1987年5月3日に「心を潤す癒しの空間」をモットーに開館しました。
初代美術館建物をご覧になって、懐かしさを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今後とも、三宅美術館をどうぞよろしくお願いいたします。

「美術と文学の対話」作品紹介②

第2回となる作品紹介では、福岡県出身の画家 上橋薫の作品「親子馬(陽だまりの親仔)」を紹介いたします。

上橋は当初小説家を志していたそうですが、親族の反対をきっかけに画家の道に進んだそうです。
21歳で上京し国画会研究所に通ったのち、示現会会員の光安浩行、大内田茂士に師事。示現会や日展で活躍したのち無所属となり、国際形象展や個展等で作品発表を行いました。
馬の親子などをモチーフとした作品で知られるほか、還暦後は奈良や阿蘇などの日本風景に取り組み、幽玄な世界観を深化させていきました。
また、「精霊の守り人」シリーズで有名な児童文学作・上橋菜穂子の父親でもあり、著作の装丁もいくつか手がけています。

本作品は前年の改組第1回日展で特選を受賞し、馬の親子モチーフを確立しつつある頃の作品です。
アースカラーでまとめられた風景に差し込む日差しの鮮やかさや、母馬に嬉しそうにすり寄る仔馬の生き生きとした描写が印象的な作品です。

参考文献:
瀧悌三「上橋薫 清爽な抒情の色彩画家」『月刊美術』1980年11月号,pp.126-131