ご挨拶

写真: 三宅美術館初代理事長 三宅力一枚の絵は時にやさしく語りかけ豊かな香りを届けてくれます。そして人の心を温め生きる喜びをあたえてくれます。

昭和38年、私は海老原喜之助の作品を見て、生涯忘れることのできない感動を受けました。
以来絵画の魅力にとりつかれ、海老原喜之助画伯を中心に、中間冊夫、矢澤一翠など現代郷土関連作家の作品を収集してまいりました。
いずれも若々しい躍動感と南国鹿児島の情熱が画面に溢れ、作家魂が見る人の心にひしひしと強く迫ってくるような作品とひそかに自負しています。
やきものは薩摩琉球の古陶器と、歴代長太郎の現代陶器を収集しています。 用と美を兼ねた古民芸品の力強く素朴な姿は昔の人の苦心とふるさとの歴史を今に伝えて、見る人に心のやすらぎを与えてくれます。また、三代長太郎流石氏は当地谷山の生んだ現代の名匠として郷土の誇りでもあります。
これらの作品を死蔵するより一人でも多くの方々にご覧いただければと願うようになり、昭和62年に美術館を開設致しました。
お気軽に、しばしの憩いの空間としてご利用いただければ幸いでございます。

三宅美術館初代理事長 三宅力
(1995年4月没)