
4月の開館日程です。


4月の開館日程です。

■概要
このたび当館の収蔵品の中から、現役で活躍中の作家たちの作品をピックアップして展示いたします。
私たちと同じ時代を生きる作家たちが作品に表現した“瞬間”を、ぜひ一緒に分かち合ってみてください。
■展示作家
〈陶芸〉有山勝英、有山清麿、有山明宏、有山禮石、福田啓人
〈絵画〉祝迫正豊、大津英敏、金森良泰、川原輝夫、坂田 燦、竹之内直記
東條新一郎、長尾淘太、西村康博、古市 孝、前畑省三、山下晴道
吉村英彦、渡邊照子
〈彫刻〉南 安廣
■作品リスト(準備中)
会 期 2026年3月20日(金・祝)~7月7日(火)
休館日 水曜日
入館料 一般500円、障害者手帳保持者100円、高校生以下無料
「没後40年 中間冊夫展 ヒューマニズムの軌跡」は本日最終日です。
ご関心のある方、また見納めをしたいとう方のお越しを是非お待ちしております。
さて、今回は中間の画風の変遷に関するコラムです。

「二つの顔」
油彩・キャンバス 1959年
第27回独立展
中間冊夫は生涯を通じて具象画を描きましたが、「歩く人」を描いた
1950年代後半から1960年代前半にかけては具象画と抽象画の間で模索を行っていました。
当時国内外で抽象美術が注目を集めており、中間自身も
「自分ではどんどん変わって抽象性が強く出て来そうです。
だが具象としてのフォルムというものに魅力をもっているんです。
それをどういうふうに画面にして行くかと自分で求めてゆくことが私の課題です。」※と述べています。
この時期は、人体から連想したイメージを抽象化して表現していました。
「二つの顔」は、どこが顔の部分なのか判然としませんが、
黄色に輝く分厚いマチエールの中心に鎮座する“顔”が強い存在感を放っています。
※…『武蔵野美術』「アトリエ閑談」№25、武蔵野美術大学出版編集室、1957年10月
【風景画にもご注目】
中間冊夫「道」
1983年 第51回独立展
※正面ホールにて常設展示しています

人物をモチーフとした作品の印象が強い作家ですが、晩年は沖縄の風景を題材とした作品を描いています。
1982年、中間は前畑省三、荒木絢子(ともに独立美術協会会員)らと沖縄へスケッチ旅行に出かけ、世界遺産として知られる今帰仁(なきじん)城跡や石垣島等を訪れました。
本作では、バス通りから今帰仁城跡へ歩いてむかう道が描かれています。画面右下から延びる道ははるか遠くへと続き、その上方には赤々と燃える夕日が見えます。
道の脇には実風景には見られない亀甲墓が描かれ、また仏教の教えの中でしばしば極楽浄土のイメージと結びつけられる、夕日の浮かぶ空が画面の大半を占めるなど、この世とあの世のイメージが交差する作品となっています。
中間が晩年関心を寄せていた哲学的なテーマと、沖縄独特の風景がみごとに融合した作品です。
【山が好き!】
山の春の美しさを「人間の一生を左右するくらい」見事だと語り
(中間冊夫「八ケ岳山麓の湯」(『温泉』・第19巻第4号・1951年)、
八ヶ岳や大山など各地の山々をスケッチしていた中間。
桜島、高千穂峰と県内各地の山も描いていますが、晩年のお気に入りは開聞岳でした。
旧制川辺中学校(現:川辺高校)時代、週に1回寄宿舎から自宅に帰る道中に小さく見えていた開聞岳は、思い出の山ではありましたが、長らく山の近くに行く機会がなかったそうです。
70歳を過ぎた頃の初春、開聞町のそうめん流しに出かけたところ、菜の花畑の向こうに姿を現した開聞岳にいたく感銘を受け、以来帰郷のたびにスケッチに出かけるようになりました。
ちなみに、桜島もモチーフとしての面白さを認めているものの、前景に建物が入らない点で開聞岳がより好きだと語っています。(南日本新聞1982年7月15日朝刊)
また、桜島を描いた油彩画を加世田市(現・南さつま市)に寄贈しており、当館所蔵のスケッチ(2枚目画像)はその下書きであると思われます。
前期展示(※終了しました)では桜島、後期展示では開聞岳のスケッチを展示しています。
皆さんはどちらの山が好きですか?



当館は3月2日(火曜日)から19日(木曜日)まで
館内メンテナンスや展示替え等で臨時休館いたします。
カフェも同じ期間お休みになります。
3月20日(金曜日・祝)からは三宅美術館コレクション展を開催します。
近代作家の作品が中心の当館ですが、本展では現役で活躍中の作家さんの作品を展示いたしますのでお楽しみに!

「うづくまる」
1973年 油彩・キャンバス
1970年代から晩年にかけて、中間は座る、あるいは横たわるポーズの人物をモチーフとした「うづくまる」というタイトルの作品を毎年のように描くようになります。
本作品は縦53.0㎝・横45.5㎝とわりあい小さいサイズでありがら、伏目かちにこちらをみつめるモデルの、やや緊張気味な様子やナイーブな内面を慎重な筆致で描き出した、シリーズの中でも光るものをもつ作品です。
企画展「没後40年 中間冊夫展 ヒューマニズムの軌跡」をよりお楽しみいただくために、現在インスタグラムおよびフェイスブックにて、中間冊夫に関する情報を発信しています。
本日より、「美術館だより」でもご紹介いたします。
第1回でご紹介しますのは、代表作「歩く人」です。

「歩く人」/ 中間冊夫
1957年 油彩・キャンバス
風を切ってやや前のめりに歩みを進める人物が、鮮やかな色彩と力強い筆致によって描かれています。
武蔵野美術大学の講師に就任した直後に制作された作品です。
このころ、中間の画風は抽象と具象のあいだで模索段階にあったいいます。
従来は人物を落ち着いた色彩と大らかな筆致によって、どちらかというと写実的に描いていましたが、1950年代半ばから背景に絵具を厚く盛り上げた線の重なりが現れるようになり、また人物描写の単純化が進みました。
本作品の人物もシルエット以外の描写はなく至って単純化されていますが、溶岩が湧き上がるように厚く盛られた人物部分のマチエールから人物の意気揚々とした様子が伝わってきます。
また、背景の原色の線の重なりからは、未来に期待する思いが伝わってくるようです。
新たな制作スタイルを確立しようとする中間自身の姿と重なるものを感じさせる作品です。

今朝の鹿児島は1年振りの銀世界ですが、
本日も通常通り開館いたします。
足下に気を付けてお越し下さい。
(なお、カフェは休業日となっております)
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