錦江湾の外の海は?

先日「錦江湾はどこまでか」ということを書きましたが
今度は「 錦江湾の外は東シナ海と太平洋のどっちだろう? 」
という疑問がわいてきました。

薩摩半島側は東シナ海、大隅半島側は太平洋で
きれいに半々で接していたりして!?

早速、第十管区海上保安本部海の相談室 に問い合わせてみました。
すると、すぐに国際水路機関(IHO)のドキュメントを送って下さり境界線が判明しました。

東シナ海と太平洋の境界は
「火(肝付町)から種子島の最北点、喜界島の東側を結んだ線」
となるようです。

その先は沖縄本島の南端を通り宮古列島の波照間島の東側、
与那国島の西側を結ぶ線になるようです。

ドキュメントが英文だったのと
ところどころ位置が緯度経度で示されていたので
微妙に解釈がずれているかもしれませんが
おおよそこのような感じのようです。
               
というわけで、
錦江湾(鹿児島湾)の南側は全て東シナ海となります。
驚いたのが大隅半島の東側は太平洋ではなく東シナ海だったという事実!   
内之浦のロケット基地が面している海も東シナ海なんですね。  
勝手に大隅半島の東側は太平洋だと思い込んでいました。

どこまでが錦江湾(鹿児島湾)?

出羽慎一さんの写真展、着々と準備が進んでおります。

さて

出羽さんの写真展を「錦江湾の水面の向こう側」って自分たちで紹介しているけど
いったい錦江湾ってどこまで???

と、疑問に思ったので
環境省のHPで調べてみました。

まず、私たちは通常「錦江湾」と呼んでいる この目の前に広がっている海は
正式には「鹿児島湾」なんです。
地図にも「鹿児島湾」と載っています。

その鹿児島湾は
「長崎鼻と大隅半島の立目崎を結んだ線まで」
なのだそうです。

準備中です!

今年の鹿児島は観測史上最大の積雪で年が明け
南国らしからぬお正月でしたね。

早いもので、それから10日も過ぎ…
ただ今、29日から開催の出羽慎一さんの写真展
「桜島 海底に流れる時間」の準備に追われています。

出羽さんは、錦江湾(鹿児島湾)といえば先ず名前があがる、錦江湾のエキスパート。
渕上印刷さんの Region No20 でも「錦江湾にほれ抜いた男」として紹介されています。

1年のうち300日は錦江湾に潜っている、とプロフィールにもあるとおり
本当にいつも錦江湾に潜っていらっしゃるので、企画展開催間近になっても
なかなか連絡が取れず、こちらが焦っていまうほどなのです。

そんな「錦江湾の住人」といっても過言ではない出羽さんだからこその作品
五十数点をただ今展示準備中です。
今回はお忙しい中、会期中4回もギャラリートークを開催してくださいます。

追々情報を更新していきますので ぜひ足をお運びください。

【 会  期 】:1月29日〜3月27日
【ギャラリートーク】:1月29日、2月12日、3月5日、3月26日 いずれも午後2時〜
【 入 館 料 】:無 料

出羽慎一さんのHP「魚のぞき」
ガイド会「世界の海ブログ」


絵の衣替え

展示中の「赤い桜島」「青い桜島」(前畑省三 作)の衣替え(額装交換)のため
額装職人の中徳氏に新しく額縁を作って頂きました。

実は、今まで入っていた額装は‘仮縁’といって
取りあえず入れておく簡易的な額縁でした。

最近では額装に入れないことを前提とした作品や
あえてキャンバスを壁に直に掛ける展示方法がとられたりしています。
作品の雰囲気を壊さないし、軽いし、経費も抑えられ、それなりの利点も多いのですが
当館では全作品 額に入れています。

それは、額装することで作品保護になるからです。
外気に直接触れることからの保護、紫外線からの保護、
観覧者からの保護(間違って作品にぶつかったり、作品に向かってくしゃみなどを
してしまった場合、直接作品に害が及ばないように)
経年による歪み等からの保護、等々です。

しかし、この額縁が自己主張しすぎて作品の雰囲気に影響してしまっては本末転倒。
あくまでも縁の下の力持ちでなくてはなりません。

そのさじ加減を上手に図って、作品に見合った
あるいは作品をより引き立てる額を作って下さるのが〔空間装飾〕の中徳氏です。

例えば、今展示している「地層 合」(前畑省三 作)はシラス地層を描いた作品です。

この作品の額装は一見何の変哲もない黒いシンプルが額装ですが
よーく見ると作品との間に隙間があり、作品が少し浮き出て見えます。

まさに地層剥ぎ取り標本のようです!

抽象的に地層を描いた作品を地層剥ぎ取り標本のごとく額装することで、
見る側にそのテーマが明確に伝わってきます。

芸術の秋、県内でも様々な企画展が開催されています。
作品鑑賞の際、額装にもちょっと目を向けてみてはいかがでしょう?
中には作家が自分で作った額装もあるんですよ。

 

「赤、青、黒」の「青」

このたびの企画展で「青」のシリーズとして海老原喜之助のエビハラ・ブルー シリーズを5点展示しています。

このエビハラ・ブルー シリーズとは… ?1923年、フランスへ渡った海老原喜之助は藤田嗣治を訪ねます。当時、藤田は白の下地に墨線で描いた画面「グラン・フォン・ブラン(すばらしく深い白地)」によってパリ画壇で高い評価を受けていました。白地と墨による繊細な線描という日本の伝統絵画の要素を油彩画に活かした技法で「日本人」としての自己確立を異国の地で確かなものにしていました。その影響を受けた海老原は、別の方法による日本的なものでパリ画壇に挑戦を試みました。思考錯誤の末、白と青(ブルー)で東洋水墨山水画の情緒を織り込み、筆墨の強弱で表現する水墨技法を取り入れ「日本」を西洋絵画に同化させる表現に辿り着いたのです。これが エビハラ・ブルー シリーズ です。1933年、海老原は世界恐慌のあおりを受け10年間のパリ生活を切り上げ帰国しましたが、帰国後はエビハラ・ブルーの作品を描くことはありませんでした。

「鹿児島の洋画の系譜」「視点」

休みの日、時間が許せばできるだけ他館へ足を運ぶようにしています。

昨日は「田中一村」展の感想を書きましたが、実は同じ日に、黎明館で開催中の

「鹿児島の洋画の系譜」展

同じく黎明館で開催中の写真展「視点」

に行って来ました。洋画の系譜展のほうは5カ月も前から開催されているのに、いずれいずれと思いながら会期末になってしまいました…。でも、間にあってよかったです。鹿児島の洋画の礎を築き、発展させていった画家たちが、時系列に沿って作品と併せて師弟関係、交友関係も紹介されているので、鹿児島洋画史を大変分かりやすく勉強させていただきました。

また、黎明館2階で開催されている写真展「視点」はJRP日本リアリズム写真集団の公募展で受賞、入選した方の写真展です。10月9日(土曜日)には審査をされた英伸三(はなぶさしんぞう)先生の作品講評があるそうです。

田中一村展

昨日は当館の休館日。

早速、鹿児島市立美術館で開催中の「田中一村 新たなる全貌」展へ行ってきました。一度は奄美の田中一村記念美術館へいってみたいとは思いつつ、そう簡単には足を運べないのが現状なので鹿児島市内でこれだけの田中一村の作品群を観ることができると知ったときから心待ちにしていました。

田中一村は鹿児島ではある程度の知名度がありますが、奄美大島で奄美の自然を描いた孤高の画家、というイメージ以上のことは意外と知られていないかもしれません。今回の一村展では、学術調査に基づいた初めての本格的な作品展というだけあり、少時代の作品から中央画壇に認められたく試行錯誤した痕跡の残る作品、奄美での作品群など多角的な資料から、田中一村という一画家の画業を掘り下げていました。

 

かなり見ごたえのある企画展でした。会期中、もう一回行けたらいいなぁ。それからやっぱり、奄美の作品群は奄美で見てみたいなぁ。

「赤、青、黒」展

朝夕とすっかり涼しくなり、空もどんよりとした今日この頃。
あの肌を刺すような日差しは、あっという間にいなくなってしまいました。
季節は移ろいで、いよいよ芸術の秋。
当館の秋の企画は、色をテーマに作品を展示してみました。

‘色’には私たちが無意識に抱くイメージを持っています。
「赤」は情熱、生命。
「青」は爽やか、冷静。
「黒」は孤独、重厚などです。
今回の企画では、赤、青、黒それぞれが作品構成の大部分を占めている作品を選んで展示しています。
中間冊夫は人物を「赤」と「黒」で描き分けました。
また前畑省三の桜島は「赤」で描かれたもの、「青」で描かれたものがあります。
モチーフが同じでも色を変えることによって、作家たちはそれぞれどのようなメッセージを伝えようとしているのでしょうか・・・。

◇展示作品◇
中間冊夫「赤い人物」「黒い人物」 前畑省三「青い桜島」「赤い桜島」
海老原喜之助 (エビハラブルーシリーズ)
「雪中行軍」「スケート」「雪景」「皎月」他

 

ヤブラン

今、道路から美術館入口にかけてのアプローチに
たくさんの‘ヤブラン’が咲いています。

紫色の可愛い花たちに
落ち葉の掃除をしながら癒されている今日この頃。

秋の足音

朝夕とすっかり涼しくなりました。

秋の足音が聞こえる間もなく、あっという間の秋模様。開館前と閉館後には、落ち葉掃除も始まりました。

先日まで丸々と太ったメタボ青虫がいた木の葉も徐々に色付いてきています。(冬仕度は間にあったかしら?)

さて、芸術の秋。9月30日(木)から 『 赤・青・黒 』 と題し赤をメインに、青をメインに、黒をメインに描かれた作品を展示いたします。

「色」で作家は何を表現しているのでしょうか?なぜこの色で描いたのでしょうか?色の妙をお楽しみください。