先日ご紹介した当館前の田の神さぁの隣には「馬頭神」の石碑があります。
馬頭神の石碑は家畜の健康と安全を願い、また弔うために建てられています。
ここ谷山は昭和40年代頃までは田畑が広がっていたそうで
きっとたくさんの農耕用の牛馬がいたのでしょう…。
しかし、10年ほど前に私が谷山に移り住んできた頃は
街並みは今とそれほど変わらない現代の閑静なこの住宅街で、
普通に馬が飼われていました。
普通の民家の庭先に、犬小屋に犬がいるように、馬小屋に馬がいました!
それも1件だけではなく複数件!!
最初私にとっては、かなり衝撃的な光景で
「農耕馬なんだろうか?ペットなんだろうか?」
「犬みたいに散歩をさせているんだろうか?」
「そもそも公道を歩けるんだろうか?」
と、頭の中を???が駆け巡りました。
地元の方々に「馬がいるんですね!?」と驚きを伝えても
「あぁいるよね。」
何驚いてんだ?という反応。
谷山の人にとっては違和感のない日常風景のようでした。
それもそのはず、
この辺り(永田橋のたもと)は伊作街道の宿場だったそうです。
永田川の川岸で馬を荒い、永田橋から現JR谷山駅方面の川沿いには
蹄鉄を打つ鍛冶屋や茶屋、車屋(馬車)が並んでいたそうです。
乗り継ぐための馬が沢山飼われていて、今も当時の小屋が残っています。
残念ながら、ここ数年どのお宅も馬を手放してしまい、
もう、この辺りで馬を見かけることはなくなりました。