焼物展示室企画展:「能野焼の窯印」展

能野焼きの窯印

 

ただ今、1階焼き物展示室では、ミニ企画展として「能野焼きの窯印」展を開催しています。

「能野焼き」は「よきのやき」と読みます。
種子島の上能野で焼かれていた焼き物で、残念ながら現在は廃窯となっています。
開窯はいつ頃なのか定かではありませんが、
苗代川系(伊集院美山)の陶工が渡って焼き始めたともいわれています。

作られた作品は日用品で、花瓶、塩壷、すり鉢、徳利、蒸し器、しびん、甕など様々です。
種子島の土は鉄分が多いそうで、能野焼は茶褐色、または暗褐色をしていて重厚感があり、
質実剛健といった感じです。
これらの花瓶や徳利、壷などの肩の部分に◎や+など刻印が「窯刻」です。
製品を焼くときに共同で窯を使用するので、
どの工房、またはどの作者のものであるか区別するための目印としてつけられてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

このミニ企画展では、能野焼に施された様々な窯印をご紹介しています。
能野焼きは形がいびつだったり(土質が原因でもあるらしいですが)、
手書きで描き直した窯印だったり、それでも良しとする大らかさがいいですね。
人々の日常に寄り添ってきた焼き物たちを眺めながら
当時の生活や陶工たちに思いを馳せていると時間が経つのを忘れてしまいます。

焼物展示室企画展:「能野焼の窯印」展
開催日時:平成23年4月2日(土)〜12月24日(土)