出羽慎一写真展『桜島 海底に流れる時間』

鹿児島在住の水中写真家 出羽慎一氏は、20年以上にわたり鹿児島の水の中に暮らす生き物たちを見続けてきました。
60万の人口を擁する鹿児島市。その目の前に広がる錦江湾は、桜島から降りそそぐ火山灰や人間の生活や生産から引き起こされる様々な問題を抱えています。
しかし、その水面へ一歩足を踏み入れると、そこにはたくさんの生き物たちが懸命に生き、いのちのきらめきに満ちた世界を作り続けていたのです。
本展は錦江湾に潜り続け、そこで暮らす生き物たちを見つけ続けてきた出羽氏による美しい写真と文章で構成されています。
水面の向こう側には私たち人間と同じ時間を共有するたくさんの生き物たちがいることを、そして私たちがその生き物たちの生活を脅かす存在に簡単になり得るものだということを作品は私たちに語りかけてくれます。

◇出羽慎一(でわ しんいち)プロフィール◇
昭和44年大阪府生まれ
鹿児島大学大学院水産学研究科修士課程修了。専攻は魚類の行動生態学。毎日のように海に潜り、魚の行動を追う日々を送る。
平成8年から鹿児島市水族館公社展示課職員として かごしま水族館オープンに携わる。
平成12年「ダイビングサービス海案内」を設立。鹿児島県内の海、川、池、湖をフィールドにダイビングガイドの傍ら、生物の生態撮影、生物調査の仕事に従事。
年間300日以上鹿児島の水中に潜る。
著書:「桜島の海へ 錦江湾生き物万華鏡」(南日本新聞社刊)
他に図鑑類への写真提供多数。
日本魚類学会・日本水産学会会員
ホームページ「鹿児島魚のぞき」

■会場:三宅美術館2階絵画展示室
■期間:平成23年1月29日(土)〜3月27日(日)
■開館:10時〜16時半(休館日:水曜)
■入館料:無料
小dewa

「赤、青、黒」の「青」

このたびの企画展で「青」のシリーズとして海老原喜之助のエビハラ・ブルー シリーズを5点展示しています。

このエビハラ・ブルー シリーズとは… ?1923年、フランスへ渡った海老原喜之助は藤田嗣治を訪ねます。当時、藤田は白の下地に墨線で描いた画面「グラン・フォン・ブラン(すばらしく深い白地)」によってパリ画壇で高い評価を受けていました。白地と墨による繊細な線描という日本の伝統絵画の要素を油彩画に活かした技法で「日本人」としての自己確立を異国の地で確かなものにしていました。その影響を受けた海老原は、別の方法による日本的なものでパリ画壇に挑戦を試みました。思考錯誤の末、白と青(ブルー)で東洋水墨山水画の情緒を織り込み、筆墨の強弱で表現する水墨技法を取り入れ「日本」を西洋絵画に同化させる表現に辿り着いたのです。これが エビハラ・ブルー シリーズ です。1933年、海老原は世界恐慌のあおりを受け10年間のパリ生活を切り上げ帰国しましたが、帰国後はエビハラ・ブルーの作品を描くことはありませんでした。

「赤、青、黒」展

朝夕とすっかり涼しくなり、空もどんよりとした今日この頃。
あの肌を刺すような日差しは、あっという間にいなくなってしまいました。
季節は移ろいで、いよいよ芸術の秋。
当館の秋の企画は、色をテーマに作品を展示してみました。

‘色’には私たちが無意識に抱くイメージを持っています。
「赤」は情熱、生命。
「青」は爽やか、冷静。
「黒」は孤独、重厚などです。
今回の企画では、赤、青、黒それぞれが作品構成の大部分を占めている作品を選んで展示しています。
中間冊夫は人物を「赤」と「黒」で描き分けました。
また前畑省三の桜島は「赤」で描かれたもの、「青」で描かれたものがあります。
モチーフが同じでも色を変えることによって、作家たちはそれぞれどのようなメッセージを伝えようとしているのでしょうか・・・。

◇展示作品◇
中間冊夫「赤い人物」「黒い人物」 前畑省三「青い桜島」「赤い桜島」
海老原喜之助 (エビハラブルーシリーズ)
「雪中行軍」「スケート」「雪景」「皎月」他

 

「桜島を描く-こころの原風景-」展

今年の梅雨は豪雨続きで、しとしと長雨の風情ある梅雨が恋しいですね。         さて、当館では本日から「桜島を描く-こころの原風景-」と題し、桜島をモチーフとした作品を展示しています。                                 1日に7回表情を変えるという桜島。また、季節や描く作家によっても様々な表情で描かれています。皆さんの心に在る桜島はどのような桜島でしょうか?展示室でぜひ皆さんの桜島を探してみてください。
期間中は中学生以下は入館無料となっています。学生証などお持ちくださいね。

なお、今回は特別展示として5年前当館で開催した「五人の轍展」の作家である日高和俊さんと宮田誠さんの桜島の作品も展示しています。併せてご覧ください。           *7月20日 姶良市の国立南九州病院にて日高さんの個展が開催されます。

『春の常設展』

今年の春を飾る常設展は、爽やかな新緑の季節にふさわしい、可憐な花々や穏やかな色彩に包まれた自然の風景を描いた作品を中心に展示しています。
我先にと咲き誇る花たち、温かな光を浴びる山々、燃える若葉などを描いた作品からは、瑞々しい自然の息吹やいのちの力強さを感じていただけるでしょう。

◇展示作品◇
海老原喜之助「男の顔」「雪中行軍」「走馬灯」他
中間冊夫「道」「黒の人物」「赤の人物」
矢澤一翠「坊津風景」「あじさい」
安井曽太郎「裸婦」
藤田嗣治「海老」山口長男「海」
前畑省三「赤い地層」
長尾淘太「セントアイビス風景」「オリーヴの風景」
上石田哲夫「えびの(みやま霧島)」他

会場:三宅美術館2階絵画展示室
期間:平成22年4月1日(木)〜7月11日(日)(休館日:水曜)
5月2日(日)〜5日(水)はスタッフ研修につき臨時休館

『海老原喜之助・中間冊夫の素描展』

三宅美術館収蔵作品の中から海老原喜之助・中間冊夫の素描を一堂に展示しています。

戦後の混乱した社会の中で新たな創造の原点を模索して、憑かれたようにデッサンを繰り返す日々を送った海老原喜之助。

何度もデッサンを繰り返すことで自分のイメージを形象化し、その追求されたデッサンを元に構図を深く探求した中間冊夫

二人の繊細さと力強さを併せもつ描線の美しさと、個性溢れる筆致をご鑑賞ください。

■会場:2階絵画展示室
■期間:平成22年1月4日(月)〜3月28日(日)
■開館:10時〜16時半(休館日:水曜)
■入館料:一般300円、小中学生・70歳以上100円

本日より本田紘輝くんの作品を展示

連日お問い合わせを頂いております
本田紘輝くんの作品展を本日より下記の通り開催いたします。

会期:10月29日(木)〜11月10日(火)
時間:10:00〜16:30(水曜休館)
場所:三宅美術館ロビー
閲覧無料

たくさんの方々からご要望をいただいているにもかかわらず
急な企画で絵画展示室が利用できず、ロビーでご覧いただくこと、
予算の都合で期間が短くなってしまうことを申し訳なく思っております。
(会場設置の業者さんによる温かいご協力で開催の運びとなりました。感謝です。)

展示作品は場所が狭いため、展示作品は全部で絵画が9点と詩が2点ですが、
代表作の原画を展示いたしますので、この機会にぜひご覧下さい。

準備中は、あらためて紘輝くんのご両親に
それぞれの作品を描いた時の話をうかがったり、
紘輝くんの思い出話をしたり、楽しい展示作業でした。

市立美術館で開催した時同様
KOUKI基金の箱を設置させていただきております。
紘輝くんの夢にご賛同いただける方はご協力お願いいたします。

「温かな眼差し」展

働く庶民の姿。
日常の生活の一断片。
時代の強風に耐えながら力強く歩み続ける人々の生命力。
日々をただひらすらに生きることの美しさを
画家たちは温かな眼差しで見つめ みずみずしく描きました。
画家たちの描いた日常を「労働」「家族」「ひととき」の
テーマごとで展示しています。

「描いた女性と描かれた女性」展

4日から始まりました「描いた女性と描かれた女性」展。

当館の収蔵品の中から
女流作家さんが描いた作品と、女性が描かれた作品を展示しています。

女性が描いた作品は力強いタッチで、強い色彩を使っていても
どこか包み込むような優しさが画面から漂ってきます。

男性が描いた女性たちは
きっと好みや理想がちょっと盛り込まれているのでしょう。
老いも若きも、描かれた女性は
どれも雰囲気のある魅力的な人物です。

1点‘描く女性’がモデルとなって‘描かれている’作品があります。
いつもキャンバスのこちら側にいる女性が
キャンバスの向こう側の立場になるってどんな気持ちだったのでしょうね。

城ヶ﨑悟展 -風の器- 

本日より【 城ヶ﨑悟展 -風の器- 】が始まりました。

本展は2001年の城ヶ﨑悟展(南溟館)以来8年ぶりの本格的な作品展となり
学生時代から最新までの作品を時系に沿って展示する初の作品展となります。
‘デフォルメの詩人’と呼ばれる城ヶ﨑悟先生の独特の世界観が
どのような過程を経て生まれるに至ったのか。
学生時代の重厚なタッチ、パリ留学時代の写実的作品、それからデフォルメされていく対象。
情緒的なイメージが強い城ヶ﨑作品の新しい一面をご覧いただける展示となっています。
また、作品ひとつひとつに城ヶ﨑先生自作の詩がつけられていますので
併せてご覧いただくと一層作品の世界が広がります。


展示作品:「自画像」1968年、「びん‐1975」1975年、「国分の桜島」1985年
「Henri Goeztのアトリエに立てる白い裸婦」1980年
「種をまく人」1995年、「風の器」2007年、「独奏」2009年 他

会  場 : 三宅美術館2階絵画展示室
会  期 : 2009年4月24日(金)〜6月30日(火)
休 館 日: 水曜日(ただし祝日の場合は翌日)
開館時間 : 午前10時午後4時半
入 館 料: 一般300円、高校・大学生300円、小・中学生100円、70歳以上100円、
(*20名以上の団体は半額)

イベント : 『城ヶ﨑氏によるギャラリートーク』
4月24日(金)10:30
5月10日(日)14:00
『マンドリンコンサート』
4月24日(金)14:00(時間変更あり)
『鈴木重子ミュージアムコンサート』
5月24日(日)18:00
『詩の朗読会と三味線ライヴ』
6月20日(土)14:00