ただ今絵画展示室で「馬の絵画展」を開催しているので
「動物の焼物展」でも馬の焼物を展示しています。

これは苗代川焼の 馬置物(19世紀) です。
全体的に褐釉が掛っていて,画像では分かりづらいですが
顔(鼻筋)と後ろ足のマーキングはきちんと白い釉薬が施されています。
馬の横には竹を模した筒が作りつけてあります。
大きさから考えて筆立てではないでしょうか。

本日は台風の接近で臨時休館している代わりに
開催中の焼物展から作品を一つご紹介いたします。

これは白薩摩焼の「海駝水滴」です。
(「立正安世」の銘あり)

水滴とは墨をするために硯に水を垂らすための道具です。
「海駝(ヘテ)」とは聞き慣れない生き物ですが
これは,獅子の頭に角を持つ想像上の動物で,
善良な人と邪悪な人を見分ける事ができるといわれているそうです。
また,水を司る神でもあり,風水の火除けとして置かれることもあるそうです。
水を司る神だからでしょうか,水滴のモチーフとしては一般的のようです。
漢和辞典によると,
中国の「獬豸(カイチ)」という想像上の生き物が朝鮮半島へ伝わり
海駝(ヘテ)となったようです。
現在ヘテはハッチとよばれソウル(韓国)のシンボルとなっています。
本作品は1階焼物展示室に10月28日まで展示しています。
ただいま1階焼物展示室では「どんこ釉と蛇蝎釉の焼き物展」を開催しています。
鹿児島の方言で「どんこ」とは「ガマ蛙」のこと。
面白い名前ですが,どのような釉薬かというと…

言葉とおりガマ蛙の皮膚のように凸凹した釉薬です。
蛇蝎(だかつ)釉はというと,このような釉薬です。

これも文字通り蛇(へび)や蝎(さそり)の皮膚ようです。
この どんこ釉 も 蛇蝎釉 も手法は同じで
伸縮率の異なる釉薬を二重・三重に被せ,縮みの差異で生まれるのがこの模様です。
上に被せた釉薬の方が大きく縮み,その割れ目から下の釉薬がのぞいています。
一般的に表面が平面的に仕上がっているものを「蛇蝎」
ぼこぼことした凹凸のあるものを「どんこ」と呼んでいます。
蛇蝎釉画像の左下は大変珍しい 辰砂がピンクに発色した蛇蝎釉です。
また右下は上の釉薬が白く,割れ目から下の黒い釉薬が筋状に見えており,
これを白蛇蝎といいます。
これらの釉薬は西餅田系の元立院焼でみられ,
後に龍門司焼や長太郎焼でも作られています。
なお,美術館1階のカフェトワメゾンでは
白蛇蝎のコーヒーカップでコーヒーをいただけます。
ぜひ注文時に店長に一声かけてみて下さいね。
こちらは ただ今展示中の指宿長太郎焼窯元 禮石氏の作品3点です

左の作品のタイトルは「宙(そら)」
口縁が大きく広がった花器です

接褐色に浮かぶ天目釉はまさに宇宙。
上から見ると中心の口がブラックホール
広がった口縁は渦を巻く銀河のようで,吸い込まれるほどに神秘的です。

本作品は2月17日(月)まで展示しております。
ただ今開催中の「歴代長太郎展」
昨日から現代の長太郎
四代長太郎長佑氏,清泉寺長太郎明宏氏,指宿長太郎禮石氏の作品を展示しています。
下の写真は清泉寺という名前の通り,今もコンコンと清水が湧き出ている清泉寺跡の泉です。
この清泉寺跡にあるのが二代長太郎正夫氏が開窯した清泉寺長太郎窯です。
現在は明宏氏がその火を受け継いでいます。

谷山の「七つ島鹿児島ふるさと物産館」には清泉寺長太郎の焼き物を販売している
「壺中庵」があります。

そして…
なんと,本日1月5日まで50%off なのだそうです!
店内でコーヒーも頂けるそうなので(200円お菓子付き)
この機会にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
【壺中庵】営業時間 10:00〜18:00
壺中庵は2018年3月をもって長太郎焼清泉寺窯元へ移転しました