田貫地区の「かっさど」(亥の日)

【開催地】鹿児島市喜入生見町 田貫地区
【開催日】毎年旧歴10月の最初の亥の日(2023年は11月13日)
【開催時間】 藁つと作り 
       11月10日 16:30~ 公民館(えびす館)
       かっさど   
       11月13日 16:30 公民館に集合
            17:00「かっさど」の餅をもらいに出発
            18:00 ワラつとに梱包
            19:00 えびす神社の藁つとの架け替え

鹿児島県内の各地でも旧暦10月最初の亥の日に
その年に収穫されたお米で餅をつき、田の神さぁに供えたり集落に配ったりする風習があります。
鹿児島市喜入町生見の田貫(たぬき)地区では「かっさど」とよばれ
中学1年生が頭となり、それ以下の子どもたちが集落内を餅をもらって回ります。
「かっさど」とは
「かっ=穫る さ=イネ科の植物 ど=時」で「稲を刈る頃」
という意味だそうです。

先ずは事前に集落内で調達した稲わらで「藁つと」を作ります。
この藁つとは、かっさどでもらった餅の中から一番立派な餅を3個包み、
生見漁港にあるえびす神社の松の木に掛けるためのものです。
ちなみに、田貫地区には田の神さぁはいないそうなので、
藁つとはえびす神社の1つだけ作ります。

藁つとにする筵を編むのは子供たちの仕事です。
先輩方に教わりながら、こもあみを使って幅80センチの筵を1mほど
上手に編んでいました。

藁つとを下げる縄は、今回は大人が作っていました。
この縄は架け替え用の予備も含めて4本作るそうです。

筵の中にいれる筒状の物はすでに藁つとの形状をしていますが、
これに餅を入れ、筵で包みます。
以前は筵で直接餅を包んで、もみ殻を入れて形を整えていたそうですが、
近年この筒状の形のものを中に入れることで、形を整えているそうです。

さて、「かっさど」本番は13日の夕方に始まります。
今年参加する子供たちは小学生3名でした。
田貫地区の5班を3人で手分けして回ります。(一人当たり30件ほど)
以前は子供たちだけのグループで回っていたそうですが、
少子化で一人ずつで回る状況になってしまったため
安全のために大人も付き添って回っていました。

餅をもらって回る際の歌や文句などは特にないそうで、
「かっさどの餅をもらいに来ました~!」と元気よく声を掛けていました。

本来は各戸3個ずつ丸餅を用意するそうですが、
近年は市販の四角餅やお菓子、現金で済ます家の方が多いようです。
昔はあんこ入りの餅をくれる家もあったとか。
餅を用意する家庭は不幸の有無など関係なく、
全戸が用意するものだったそうです。

担当地区を回り終わると公民館に戻って、
もらった餅の中で一番立派な餅3個を藁つとに包みます。

クライマックスは餅を包んだ藁つとを持ってえびす神社へ向かいます。
昨年のかっさどで掛けた古い藁つとを下げ、今年のものと架け替えます。
掛け終わると皆で手を合わせて終了です。
以前はこの餅を狙ってやってくる人がいたので一晩中見張っていたとか。

神社に餅を下げる理由は、農耕の神様が出雲へ帰るときの手土産だから、とのことでした。