獅子乗り鐘馗像

端午の節句が近いので
焼物常設展示に白薩摩の「金襴手獅子乗鐘馗像」を展示しました。

鐘馗(しょうき)は中国唐の時代、玄宗皇帝の夢に出てきて
「天下の虚耗の妖孽を攘わん」(国家を弱らせる災いを払おう)と言ったといい,
その風貌は
「巨眼多髭にして黒衣を纏い,冠を着け,劔を抜いて子鬼を捉えている」とのこと。
(参照「東洋画題綜覧」編 金井紫雲)
その故事から端午の節句に魔除けとして鐘馗像を飾るようになったそうです。

当館の鐘馗像も大きな目にヒゲをたくわえ,冠を着けていますが
着衣は黒ではなく鮮やかな色彩と細かな文様がほどこされています。
背面には龍が描かれていて,袖と腹部には恐ろしい形相の鬼も。


振り上げている右手には穴があいているので,きっと劔を持っていたのでしょう。
展示室でお見せできないのが残念ですが,
鐘馗が乗っている獅子の脚裏にはちゃんと肉球が成形されているんですよ。