タニヤマアートシーンの作家たち⑧

第8回は、三反田 登美子さんの作品「静想」です。

三反田 登美子「静想」
2022年 綿/人工染料

月明かりの中、芽生えから立派な根に成長していく桜島大根の一生が桜島をバックに表現されています。
県外から谷山に移住されて長い年月が経つ中で、鹿児島らしい題材に取り組みたいと思い、アトリエからみえる桜島の景色と桜島大根とを組み合わせたそうです。
大根の周辺にはモンシロチョウが5匹舞っていますが、全部見つけられましたでしょうか?

 三反田さんは庭先の植物や野菜といった身の回りの植物を主なモチーフとし、ろうけつ染によってモチーフの造形美や生命力を表現されています(最近はカニもモチーフに加わりました)。
白地と染料の間の繊細なグラデーションは高く評価されており、このグラデーションのは数十回以上も防染・染色作業を繰り返すことで生み出されています。