第2回は本窯長太郎焼窯元の四代長太郎 長佑さんの作品「爽夏影」です。
有山長佑「爽夏影」 陶器 2012年作 第44回日展出品作
先日、画家の黒田清輝が命名したとご紹介した谷山で生まれた焼物
「長太郎焼」。
初代が窯を開いたのは谷山の小松原、情報高校近くの永田川河口沿いです。窯の跡地に今はマンションが建っていますが、石碑が残っているので場所はすぐに分かります。
現在の長太郎焼は、
谷山の木屋宇都(こやんと)地区の本窯
同じく谷山の清泉寺跡の清泉寺長太郎焼窯元
指宿市の指宿長太郎焼窯元の3カ所で炎が受け継がれています。
「タニヤマアートシーン」展では、
谷山で製作している本窯と清泉寺長太郎焼窯元の作品を展示しています。
先ずは本窯の四代長太郎長佑(ちょうゆう)さんの作品
「爽夏影(そうかえい)」をご紹介します。
作品名のとおり、夏の季節にぴったりの爽やかな青い釉薬*ですね。
これは四代長太郎のオリジナル色で、鹿児島の青い空と海を表現しているそうです。
青い色の下からかすかにのぞく白色に、みなさんは何を感じ連想するでしょうか?
この作品の見所は、下の円盤のような胴にその2倍ほどの高さの首が乗っているのに、平たい胴が潰れずきれいに円盤状の形を保っているところです。これは高い技術と経験が必要とされる造形です。
引き込まれてしまいそうな神秘的な青い色と、造形の妙をぜひ近くで見て感じて下さい。
*釉薬(ゆうやく)…陶器の土の上に掛けて焼くと、色が付いたり、模様ができたり、ガラス質なので水漏れ防止で実用的になるなどの役目があります。