「没後40年 中間冊夫展 ヒューマニズムの軌跡」コラム④

【風景画にもご注目】
中間冊夫「道」
1983年 第51回独立展
※正面ホールにて常設展示しています

人物をモチーフとした作品の印象が強い作家ですが、晩年は沖縄の風景を題材とした作品を描いています。

1982年、中間は前畑省三、荒木絢子(ともに独立美術協会会員)らと沖縄へスケッチ旅行に出かけ、世界遺産として知られる今帰仁(なきじん)城跡や石垣島等を訪れました。
本作では、バス通りから今帰仁城跡へ歩いてむかう道が描かれています。画面右下から延びる道ははるか遠くへと続き、その上方には赤々と燃える夕日が見えます。

道の脇には実風景には見られない亀甲墓が描かれ、また仏教の教えの中でしばしば極楽浄土のイメージと結びつけられる、夕日の浮かぶ空が画面の大半を占めるなど、この世とあの世のイメージが交差する作品となっています。

中間が晩年関心を寄せていた哲学的なテーマと、沖縄独特の風景がみごとに融合した作品です。