「古代からのメッセージ」ふるさと考古歴史館

ただ今谷山の ふるさと考古歴史館 で開催中の「古代からのメッセージ展」では
鹿児島紡績所技師館(異人館)跡の発掘調査での出土品や福昌寺の模型と併せて
谷山北麓(谷山小学校周辺)と不動寺遺跡(JR慈眼寺駅北側)の出土品が展示されています。

不動寺遺跡では鹿児島市内で初めて出土した「方格規矩四神鏡(ほうかくきくししんきょう)
(破鏡)」という青銅鏡が展示されていました。
当時非常に貴重で手に入らないものだったので,物理的に数を増やすために故意に破壊し,
破片を磨き穴を開けて装飾品として使用されていたようです。

この不動寺エリア,昭和ひとけた生まれの男性の話によると
「ここは掘るといろいろ出てきてね,子供の頃は宝探しと称して掘りに来たものだったよ。
僕は‘勾玉’が好きだったから勾玉狙いで掘って,何個が見つけて持ってたよ。」
とのこと。当時の子供たちの宝箱は本当の‘宝箱’だったかたもしれませんね!

谷山北麓は弥生時代の住居跡だったことは知られていますが,
今回の出土品の中には昭和30年代まで使用されていたヤクルトのガラス瓶もあり,
弥生時代から近世までの人々の生活が身近に感じられる内容でした。

ふるさと考古歴史館にむかう「紫陽花ロード」はこれからが見頃です。
企画展は入場無料ですので,ぜひ足を運ばれてはいかがでしょうか。

「薩摩人の祈り-廃仏毀釈」

慈眼寺公園の隣にある ふるさと考古歴史館
特別企画展「薩摩人の祈り廃仏毀釈」が開催されています。

廃仏毀釈は明治に神仏分離の名の下に行われた破壊行為や弾圧のことで、
ここ鹿児島では最も激しく行われたといわれています。
7年の間に全ての寺院が廃寺となり、僧侶も1人残らず還俗させられたそうです。

この企画展では鹿児島での廃仏毀釈に関する資料や、激しく破壊された仏像や仏具、
地域や個人で密かに守り続けられてきた仏像などが展示されています。

10月は鹿児島の3大行事の一つ「妙円寺詣り」がありますね。
これも廃仏毀釈の影響がみられる行事です。

関ヶ原の戦いで敵中突破をして帰鹿した島津義弘公とその軍勢の苦難をしのんで
伊集院の「徳重神社」に詣りますが…

「妙円寺詣り」なのに「徳重神社」?これって不思議に思った事ありませんか?

現在、島津義弘公は徳重神社で祀られていますが、
もともと徳重神社のある場所に妙円寺という義弘公の菩提寺がありました。

しかし、廃仏毀釈によって妙円寺は廃寺となり現在の徳重神社が創祀され、
妙円寺詣りにもかかわらず今でも徳重神社に詣っているんですね。

妙円寺は再興され、徳重神社のすぐそばに現存していますので、
妙円寺詣りに出向かれる際は、「妙円寺」にも足を運ばれてみてはいかがでしょうか。