知覧町中福良の「ソラヨイ」

 

【開催日】平成23年9月12日
【開催地】知覧町立中福良小学校
【指 定】国指定無形民俗文化財「南薩摩の十五夜行事」
     県指定無形民俗文化財「知覧の十五夜そらよい」

知覧町永里中福良地区で十五夜行事「ソラヨイ」が行われました。

ソラヨイ会場の中福良小学校です。
十五夜のお供えは栗と親芋,すすきと萩でした。
臼と箕の間にすすきを横にして挟んでありました。

以前は20数カ所で開催されていたそうですが、
現在は知覧町の中部地区の4〜5カ所で伝承されているのみだそうです。
中でも中福良のソラヨイは古来の姿を一番残しているということで大勢の見物人がいました。

ソラヨイに参加するのはそもそも小学校高学年の男の子らしいのですが
少子化のあおりを受け今年は5歳から13歳までの男の子10人が参加していました。
子供たちは、褌、腰蓑、円錐形の笠の3点セットで扮し
年齢の若い子は褌とシンプルな笠だけ。
その上の子は褌と輪っかのついた笠。
さらにその上になると腰蓑が付き、笠の縁からは垂れ下りが付き
年が上がるほど笠の輪っかの数が増えます。

子どもたちは神事を終えると集落に行事の開催をふれて練り歩き
月が登り始めるとソラヨイが始まります。

先ずは円陣の中央となる、まるで藁積みのような笠が出てきます。

中には子供が入っていて(声から察すると13歳以上の男の子らしい)
傘の柄のようになている芯棒を時計回りに回します。
そうすると子どもたちが出てきて笠を囲み
歌いながら笠と反対まわりに回ります。

「今夜来んと、明日の晩な、麦藁三把、松明五丁、ホーイホイ」と歌っているそうです。
そして「ソラヨイ、ソラヨイ、ソラヨイヨイヨイ」
の掛け声で相撲の四股のように足を踏みならすことを繰り返します。

それから「ナカヨイ、ナカヨイ、ナカヨイヨイヨイ」で笠に近づき
「ソトヨイ、ソトヨイ、ソトヨイヨイヨイ」で元の円陣に戻る
を繰り返し、最後には笠を壊して倒し、退場です。

お囃子などは一切なく、真っ暗闇の中、
月明かりに照らされた子どもたちの姿はとても神秘的で
どこか異空間へ連れて行かれた気分になりました。