島の杜-クワズイモ-
1997年作 油彩・カンヴァス・F100号
第17回名瀬市美術展奨励賞
本作品は画面いっぱいに生い茂るクワズイモの隙間から見える岬に立つ灯台と
これから水平線に沈むのでしょうか、あるいは水平線から昇ってきたのでしょうか、
輝く太陽が描かれています。
池田は本作品を描くためにクワズイモの生態を1年かけて観察,記録したそうです。
「気が付くと仕事を抜け出してクワズイモの観察にでかけていたのよ。」と奥様。
それは熱心に観察,スケッチしていたようです。
そして,1年かけて観察してきたクワズイモのは
時系列では同時に存在するはずのないつぼみと花,
それらが実になり落ちるまでを一緒に描きこんだのです。
この作品は第17回名瀬市美術展で奨励賞を受賞しました。
しかしながら講評で「田中一村風(※)の絵になりがち。影響を受けるのはいいことだが,表現はあくまでも自分のものでなければならない。」と評されました。
これを機に池田は独自の表現,世界感の追求をしていくことになるのです。
(※)昭和33年から約20年間奄美に在住しながら奄美の風景を描いた日本画家
田中一村記念美術館→◇