「郷土ゆかりの作家」展

郷土ゆかりの作家展チラシ画像

明治の日本洋画界は黒田清輝をはじめとする鹿児島県出身の画家たちがその中心となってリードしてきました。本展では,その後先人たちに倣って鹿児島の美術界をリードしてきた作家たちとその作品をご紹介します。

中間冊夫(なかまさつお)1908-1985
鹿児島県南さつま市(旧加世田市)出身。独立美術協会会員。武蔵野美術大学名誉教授。
川端画学校を卒業後,1930年協会研究所で中山巍,林武,里見勝蔵らの指導を受ける。
同郷の海老原喜之助と鹿児島での独立美術展開催など故郷鹿児島での後進の育成にも尽力した。

海老原喜之助(えびはらきのすけ)1904-1970
鹿児島市住吉町に生まれる。独立美術協会員。
川端画学校に入学するも藤田嗣治を頼って19歳で渡仏。10年後帰国。終戦翌年には鹿児島で
吉井淳二と共に南日本美術展を創設。また,熊本市に海老原美術研究所(通称 エビ研)を開設。東京やフランスで活躍しながら鹿児島の美術界に大きな影響を与えた。

長太郎焼(ちょうたろうやき)
ここ鹿児島市谷山の地に開窯された長太郎焼は,薩摩焼の堅野系の流れを汲む窯であり,
焼酎ブームで全国的に知られるようになったソロバンの珠型の黒千代香を発案した窯である。初代有山長太郎(1872-1940),二代正夫(1899-1988),三代流石(1908-1999),四代長佑(1935-  ),清泉寺長太郎明宏(1945-  ),指宿長太郎禮石(1949-  )と明治に灯った窯の火は現在も谷山と指宿で受け継がれている。

寺尾作次郎(てらおさくじろう)1898-1984
福岡県生まれ。陶芸家。図案家。画家の和田三造,陶芸作家の河井寛次郎に師事。
昭和15年鹿児島県工業試験場窯業部長に就任し,以後薩摩焼の研究,振興に尽力する。
晩年は谷山から紫原に居を移し,鹿窯を開いて伝統を踏まえながら現代的感覚の親しみやすい作品を多く手掛けた。

他 吉井淳二,岩下三四,矢澤一翠,前畑省三など

会 期:9月12日(土)~12月22日(火)
休館日:水曜日(ただし国民文化祭期間中は水曜日も開館)