松尾芭蕉の「おくのほそ道」の旅程も半ばを過ぎ
328年前の今頃は新潟県の出雲崎を訪れていました。
「荒海や佐渡によこたふ天河(あまのがわ)」
(出雲崎の大崎屋宿)
(新潟県直江津の荒海)
この出雲崎は佐渡島への渡船場であり,
佐渡島で採れる金銀の荷上場でもあったので,幕府の直轄地でした。
また,当時はその鉱山の労働力として罪人が送られる流刑地でもありました。
特徴的な三角屋根を持つ「妻入り」と呼ばれる家屋の町並みは今も残っており,
芭蕉が滞在した当時が偲ばれます。
芭蕉はこの句で,昔から変わらぬ荒々しい日本海,
その向こうの闇に沈む流刑地佐渡島
そして夜空に広がる天の河の対比を詠んでいます。
8月も半ばを過ぎているのに天の河?と思われるかもしれませんが,
旧暦ではちょうど七夕の時期に当たるので
きっと天の河が綺麗に見えたことでしょう。