旧長太郎焼本窯風景

「椋鳩十と薩摩伝統工人たち」展では、工人の作品以外に、工人にまつわる資料も展示しています。
その一つが旧長太郎焼本窯の風景画です。
土岐浩藏の油彩画で、昭和33年頃の風景と思われます。

旧長太郎焼本窯は、永田川河口沿い(現在の谷山中央2丁目)にありました。
鹿児島情報高等学校の並び、というとイメージしやすいでしょうか。
今はマンションが建っており、入口には記念碑が建っています→


この写真は、風景画を描いたと思われる「しおや橋」から、同じ画角で写したものです。
中央の大きなマンションが長太郎焼本窯があった場所になります。
当時は長太郎窯から先は錦江湾でしたが、昭和42年から埋め立てが始まり、
今では海岸線は遥か彼方へ行ってしまいました。
しおや橋は人道橋で車は通ることはできない生活橋ですので、お散歩がてら昔の長太郎窯を想像しながら渡ってみてください。

【指宿長太郎焼窯元 有山禮石氏ギャラリートーク】
日時:2月11日(日曜日)午後2時から
会場:三宅美術館1階展示室
予約:不要
参加費:入館料のみ

三代長太郎流石のレリーフ

前回は初代長太郎の鹿児島市役所本庁のレリーフをご紹介しました。
本日は初代長太郎の息子で三代長太郎流石(さすが)氏のレリーフをご紹介します。

これは、鹿児島市天文館のアーケード(ぴらもーる)内にある手芸店の正面入口です。
ちょっと画像が不明瞭なので恐縮ですが、長太郎焼の黒釉を背景に沢山の鶴が舞っています。
1500枚を超える長太郎焼のタイルによるモザイク調のレリーフで、実物はかなり迫力があります。
大きさは建物の2階から3階にかけて設置されているので縦5~6mはあるでしょうか。
当時、この大きさのレリーフ制作を請け負ってくれる陶工がなかなか見つからず、
引き受けてくれたのは流石氏しかいなかったとか。
今度ぴらもーるにお出かけになる際は、ぜひ上に目線を向けてみてくださいね。

2月11日(日曜日)は、このレリーフの制作者流石氏の息子で指宿長太郎焼窯元の有山禮石氏によるギャラリートークを開催いたします。

【ギャラリートーク詳細】
日時:2月11日(日曜日)午後2時から
会場:三宅美術館1階展示室
予約:不要
参加費:入館料のみ

 

初代長太郎のレリーフ

「椋鳩十と薩摩伝統工人たち」では「薩摩伝統工人伝」に紹介されている工人12名の作品や資料を展示しています。
その中で椋鳩十に「日本の陶芸家の中にあっても、光芒をはなつ存在であった」と評されているのが初代長太郎です。
本展では初代長太郎の「羅漢坐像」を展示していますが、私たちの身近なところでも初代長太郎の作品を見ることができます。

これは鹿児島市役所本庁舎の本館です。

本館の正面玄関に丸いレリーフがあるのにお気付きでしょうか。

このレリーフの作家が初代長太郎です。

このレリーフの制作にあたっては大変なご苦労があったようです。

2月11日(日曜日)には、初代長太郎の孫で指宿長太郎焼窯元の有山禮石氏によるギャラリートークを開催いたします。
長太郎焼についてお話いただきますので、ぜひ足をお運びください。

【ギャラリートーク詳細】
日時:2月11日(日曜日)午後2時から
会場:三宅美術館1階展示室
予約:不要
参加費:入館料のみ

この一品:ミニ屏風

「薩摩伝統工人伝」で『鹿児島では押しも押されない表具師』と紹介されている田代常吉の孫にあたり、田代表具店三代目の田代和雄氏による、掛け軸の「裏打ち」と「切り継ぎ」の実演
を開催いたしましたが、(詳細はこちら)、その田代和雄氏が経師(屏風や襖を表装する職人、作家)として制作したミニ屏風をご紹介させていただきました。

画像:朝日新聞 平成30年2月1日付 第2鹿児島面 「この一品」
掲載承諾書番号:18-0093 (本記事は朝日新聞社に無断で転載することはできません)

「ミニ屏風」は企画展第2展示室で展示中です。ぜひ実物の「裂」をご覧になってみてください。