11月より通常開館いたします。

11月1日(火)より通常開館いたします。

館内では定期的な換気、手指消毒と検温などコロナウイルス感染拡大予防の対策に注力して参りますが、感染状況によっては臨時休館させて頂く場合場合もございますのでご了承ください。

馬にスポットを当てる理由(「馬と一緒」vol.1)

 午年でもない本年になぜ「馬」にスポットを当てた企画展を行うのか、不思議に思われた方もいるのではないでしょうか。実は、当館は収蔵作品や立地の点で何かと馬と縁があります。

・馬を主題とする収蔵作品が多い
 当館を代表する収蔵作家・海老原喜之助は、荷馬車が忙しく行き交う港町で生まれ育ったことから馬に格別の愛着を持ち、自らの分身として生涯にわたり描き続けたことで知られています。収蔵作品でも様々な時期・画風の作品がみることができます。また、海老原のほかにも芝田米三、上橋薫ら馬を描いたことで著名な画家の作品があります。

・近年まで馬が身近な存在だった地域に立地
 当館周辺は谷山街道と伊作街道が交差し、古くは荷馬車屋・蹄鉄屋・馬喰(家畜商)など馬関係の店が立ち並ぶ場所でした。このような背景から、2000年代前半(区画整理事業の開始以前)まで住宅街の中でも馬を飼う風景がみられる、馬が身近に存在した地域でした。
 谷山地区自体、明治時代には日本に数ヶ所しかない軍馬育成所(陸軍軍馬の育成所)が慈眼寺におかれ、競馬に持ち馬を出走させる人が多く、昭和40年代までは馬踊りが行われるなど、馬が様々な場面で活躍してきた地域です。

 区画整理事業により、谷山駅周辺の街並みは日々変化しています。道路の再整備により交通の便が良くなった一方、昔からの街並みが姿を消し、土地の歴史に思いを馳せることが難しくなりました。また年月が経過するにつれて、谷山の昔の姿を知る方も少なくなりつつあり、郷土谷山のあゆみを記録する必要性が年々高まっています。

 こうした現状を踏まえ、今回の展覧会では馬を主題とした作品の展示にあわせて、「馬の郷土史」を調査・記録することにしました。「美術×歴史×民俗」という当館では珍しいジャンルの展覧会ですが、関心を持っていただければ幸いです。

「馬と一緒―画家とともに,谷山(ふるさと)の暮らしとともに―」開催のお知らせ

久しぶりの開館となる秋季企画展では「馬」にスポットを当て、馬を描いた絵画作品やふるさと谷山の馬の歩みを紹介します。

【概要】
海老原喜之助・山口薫・芝田米三・上橋薫・坂田燦ら、馬に特別な思い入れを持つ画家たちによる馬の絵を約20点展示し、画家と馬との関わりを紹介。なかでも半世紀にわたり横たわる姿の馬を描き続けている洋画家・坂田燦氏の油彩作品は、県内では初めての展示となる。
また、明治前期には国内でも数か所しか置かれなかった陸軍軍馬の育成所(軍馬補充部福元支部)が慈眼寺に置かれ、農業や林業、運送で馬が活躍、伊佐智佐神社の浜下りや初午祭(馬踊り)といった祭事にも登場するなど、馬に支えられてきた谷山の歴史・民俗を解説する。

【会 期】 2022年10月8日(土)~2022年12月23日(金)
【会 場】 三宅美術館2階絵画展示室
【入館料】 一般500円、高校生300円、小・中学生200円、70歳以上・障害者手帳保持者100円
【主 催】 一般財団法人三宅美術館
【協 力】 鹿児島市文化芸術活性化補助金採択事業