第2回やきものお話会を開催しました

 1月9日、指宿長太郎焼窯元陶主・有山禮石さんの第2回やきものお話会を開催しました。
 今回は「釉薬の話」と題し、釉薬の基礎知識や配合方法、長太郎焼鉄釉の作り方等についてお話いただきました。

 はじめに前回の復習もかねて、禮石さんの解説のもと焼物の制作工程DVDを視聴しました。

 次に、展示作品の釉薬について解説頂きました。
 禮石さんの代表作の一つである「氷裂文シリーズ」作品(手前右)は流氷を表現した白い釉薬部分のシャープな印象、そしてその流氷部分と紺色下地のコントラストが印象的な作品ですが、今回その流氷部分の焼成前見本をご持参頂いた上で、ご解説頂きました。
 一見自然に亀裂が入ったかのように見える白い釉薬部分は、実は意図的に裂け目が入れられていて、焼成しても釉が動かないよう調整されていたり、反対に紺色釉は2回目の焼成で釉薬が流れるように熔解温度が低めになるよう調合されていたりと、作品の美しさが経験と緻密な計算に支えられていることを知ることができました。

 釉薬の奥深さ、そして不思議さについて再認識した時間でした。
 例えば「辰砂釉長首花生」(リンク先「長太郎焼」に画像がございます)の緑色は銅によるものですが、辰砂釉部分の上に施釉しないとこの緑色は出ないそうで、単独で白地に施釉すると赤くなるそうです。
 また、蛇蝎釉は釉薬・下地の微妙なバランスにより成り立つ製品であるため、冬季は焼成に適さないそうです。

 最後に、今日主流である釉薬の調合方法・ゼーゲル式について説明頂きました。
 ゼーゲル式とは化学式を用い、釉薬に含まれるアルカリ成分、アルミナ成分、シリカ成分の割合から釉薬の溶け方や性質を割り出すものです。窯場での事例を交えた丁寧な解説から、思い通りの釉薬を作り出すには釉薬に対する化学的な知識、豊富な経験を要すること、それを知った上で作品を鑑賞するとより鑑賞を楽しむことができることを学ぶことができました。

 なお、第3回やきものお話会は定員に達しましたためご予約を締切りましたが、今後のイベント開催の際は当ブログにてご案内いたしますので、引き続きご覧頂けますと幸いです。