谷山漫才

15日に開催された「谷山げいのう講座」で谷山芸能保存会による谷山漫才を見てきました。

これは谷山ことばで繰り広げられる,現代でいうコントです。
今年の演目は「恵比寿大黒」でした。

七福神の浜でばい(花見)のため,えべっさぁ(恵比寿様)とでこっさぁ(大黒様)が
酒の肴を用意するため谷山(七つ島)沖へ釣りに行く,という筋書きです。

(えべっさぁ(右)が持ち上げているのは谷山名物 一口蛸)

恵比寿様と大黒様に扮しているのは女性で,時事問題もからめた掛け合いをします。
「アベノミクス」や「今でしょ!」「お・も・て・な・し」という単語は聞き取れるのですが,その前後の掛け合いが谷山独特のことばのため,会場は爆笑の渦になっても,
残念ながら私には半分くらいしか理解できませんでした。

そもそもこの谷山漫才が生まれた経緯は,浦町(漁村)谷山で出舟,入舟,大漁祝いに唄われてきた「今度この節」を後世に残すためなのだそうです。
谷山の風習をストーリーに組み込んだ滑稽な掛け合いのお囃子として
口伝で残されてきた「今度この節」を併せ,谷山漫才となったそうです。

この辺りの浜は埋め立てられ大型商業施設が立ち並び,漁村の面影はすっかりなくなってしまいましたが,当時の谷山を知らない世代も余興の演目としてなら唄い継いでいくことができますね。

谷山漫才の演目は「恵比寿大黒」の他「桜島物語」や「とこちえ節」といったものもあるそうです。もう少し言葉の勉強をして,他の演目もぜひ見てみたいものです。