守られている水中遺産

ただいま開催中の「藍の刻」で展示している作品は、ミクロネシア連邦チューク州(旧トラック諸島)の海で撮影されました。チュークでは1971年に地方条例(TDL21-5)で1945年12月31日までに旧トラック諸島の礁湖に沈んだ船や飛行機、その他遺物全てを水中文化遺産に指定し、一切の遺物の移動を禁止しています。
その条令で保護されているため沈船の引き揚げはほとんど行われず、ほぼ当時のまま海底に残されているので、他に類を見ない光景が広がっているのですね。
沈船の鋼鉄や遺物を転売目的で海底から引き揚げ、近海の95%の海中遺物が失われた国もあるようです。

長い時間をかけて海中生物をまとった沈船は、それ自体がアート作品のように美しく、存在感とメッセージ性を持っています。
貴重な海中遺跡とミクロネシアの自然が織りなす海中風景の写真展「藍の刻」は10月26日(火)までです。