鹿児島湾(錦江湾)の海底地形

目の前に対岸が見える錦江湾。

一見そんなに深いようには見えませんが
実は水深220mを超える‘どん深の海’なのだそうです。
珊瑚が生息していれば深海魚も生息している
不思議な生態系を持つ所以はその地形にあるようです。

『桜島 海底に流れる時間』では写真の補足情報として資料をいくつか展示しています。


その中の、等深線の入った鹿児島湾海底地形図と
鹿児島湾海底地形模型(鹿児島大学水産学部西隆一郎研究室 蔵)の二つを見比べて頂くと
鹿児島湾の海底地形がとてもよく分かります。

桜島のなだらかな斜面が水面下までずっと続いていると思いきや、
桜島の南側 観音崎あたりは水深160mほどまで一気に深くなっています。
模型でみるとまさに断崖絶壁です。

 

桜島の北東、福山町には海上自衛隊の鹿児島試験場があり時々潜水艦を見かけますが
ここも水深200mになってます。

一方、小学生たちが遠泳をする辺りは水深40〜50mほどのなだらかな地形となっています。
模型を参考に写真の生き物たちの生活に思いをはせてみて下さい。

参考までに、
鹿児島湾の先の海底地形は鹿児島大学総合研究博物館の常設展示室でご覧いただけます。
(資料名:海底地形と地質断面)鹿児島湾のみならず、鹿児島県全域の海底地形の模型です。これをご覧いただくと、今活発に爆発的噴火を繰り返している新燃岳、桜島を含めその他鹿児島県の火山がこのように配列している理由が一目瞭然です。

(火山の配列:気象庁)

KTSさんの番組に出羽さんが出演されます

明日は、KTS鹿児島テレビさんの番組
『新井気象予報士のかごしまエコ紀行3見つけた!身近にある自然(たからもの)』
に出羽さんが出演されます。

鹿児島にお住まいの方なら、
優しい声と爽やかな笑顔で天気予報を伝えてくれる新井気象予報士はお馴染みですね。
新井さんはスキューバダイビングのライセンスをお持ちで、
県内各地の海に潜り水中の自然を調査されてこられたのだそうです。
明日は、出羽さんと新井さんが錦江湾の魅力をたっぷりと紹介してくれることでしょう。
ぜひ、ご覧になってくださいね。

KTS鹿児島テレビ
『新井気象予報士のかごしまエコ紀行3見つけた!身近にある自然(たからもの)』
放送日 2011年2月5日(土) 13:00〜13:55

雪の日の錦江湾は…

昨朝は、当館周辺も雪が2,3cm積もり冷たい朝となりました。

こんなに寒い日、錦江湾の生き物たちは水の中でどんな風に過ごしているのでしょう。
さぞや冷たい海中で、寒い思いをしているのでは…

この季節の水温は約16度ほどだそうです。
水温の方が気温より高いので、
出羽さんによると寒風にさらされた船上から水の中に入った瞬間は、
温泉に浸かったように温かく感じるのだそうです。

気温より水温の方が高い…日常生活を送る中では考えたこともない事でした。
こんなに寒い雪の日、
錦江湾の中でも水面に落ちてくる雪を眺めている生きものがいるのかもしれません。

私たちにできること

企画展アンケートで一番多い感想は
「身近な錦江湾に、こんなにもたくさんの美しい生き物がいるなんて、知らなかった」
という‘意外な生き物の宝庫’という驚きです。

そして、次に多いのは
「錦江湾の生き物の環境を守っていかなければ・・・」
と環境へ配慮した、さらに1歩踏み込んだ感想です。

錦江湾の環境を守る!
といっても、個人の力ではなかなか湾岸工事は止められないし
地球規模の温暖化を止めることもできません。

でも、個人のほんのささやかな心遣いが
生き物たちにとって大きな意味があることも事実です。

例えば、鰓(えら)呼吸をする魚にとって界面活性剤は天敵!
鰓に付着してしまうと膜ができ、呼吸できなくなってしまうそうなのです。
私たちが洗剤やシャンプーなど界面活性剤の入っていないもの
あるいは、植物性の界面活性剤を使用しているものに変えるだけで
魚たちにとって、優しい選択になるのです。

文明の利器に頼り切っている生活を100歩譲って…
なんて、もう難しいし無理ですよね。
でも、自分なりに1歩譲って
デリケートな生き物に優しい環境づくりをお手伝いしてみませんか?