「赤、青、黒」の「青」

このたびの企画展で「青」のシリーズとして海老原喜之助のエビハラ・ブルー シリーズを5点展示しています。

このエビハラ・ブルー シリーズとは… ?1923年、フランスへ渡った海老原喜之助は藤田嗣治を訪ねます。当時、藤田は白の下地に墨線で描いた画面「グラン・フォン・ブラン(すばらしく深い白地)」によってパリ画壇で高い評価を受けていました。白地と墨による繊細な線描という日本の伝統絵画の要素を油彩画に活かした技法で「日本人」としての自己確立を異国の地で確かなものにしていました。その影響を受けた海老原は、別の方法による日本的なものでパリ画壇に挑戦を試みました。思考錯誤の末、白と青(ブルー)で東洋水墨山水画の情緒を織り込み、筆墨の強弱で表現する水墨技法を取り入れ「日本」を西洋絵画に同化させる表現に辿り着いたのです。これが エビハラ・ブルー シリーズ です。1933年、海老原は世界恐慌のあおりを受け10年間のパリ生活を切り上げ帰国しましたが、帰国後はエビハラ・ブルーの作品を描くことはありませんでした。

秋の足音

朝夕とすっかり涼しくなりました。

秋の足音が聞こえる間もなく、あっという間の秋模様。開館前と閉館後には、落ち葉掃除も始まりました。

先日まで丸々と太ったメタボ青虫がいた木の葉も徐々に色付いてきています。(冬仕度は間にあったかしら?)

さて、芸術の秋。9月30日(木)から 『 赤・青・黒 』 と題し赤をメインに、青をメインに、黒をメインに描かれた作品を展示いたします。

「色」で作家は何を表現しているのでしょうか?なぜこの色で描いたのでしょうか?色の妙をお楽しみください。