本日の御衣黄桜

花と葉の比率が 花<葉 となってきましたが、
まだまだ緑からピンクへ染まっていく過程を楽しむことができます。
枝先にまとまって咲いていると、まるでブーケのようです。

雨上がりの御衣黄桜

昨日はたっぷりと雨が降り、本日は新緑がますます勢いついて見えます。
雨が上がり、当館の御衣黄桜も一気に赤味を増し葉も出てきました。
色付いた花は次々と落花し始めましたので、
御衣黄桜を楽しめるのも今週末頃まででしょうか。

御衣黄桜はソメイヨシノのように花びらがハラハラとちるのではなく
写真のように花ごと落花するので、
落花した花を水に浮かべてもきれいですよ。

御衣黄桜

本日の御衣黄桜。
そろそろ花の中心部が赤く色づいてきました。
今週末あたりには全体が色づき、来週には落ち始める気配です。
平日は新型コロナウイルス感染拡大予防のため閉館しておりますが、
土日祝日は開館しておりますので、ぜひ御衣黄桜もご覧ください。
ちょうど今、咲き始めの緑色の花、赤く色づく前の白い花、
そして終盤に向けて中心部が染まってきている花を見ることができます。

今年の御衣黄桜は昨年よりも花付きがよいようで「たわわ」に花が生っていますよ。

焼物収蔵品展「花に彩られたやきもの展」

〈会期〉2022年3月28日(月)~7月10日(日)
※新型コロナウイルス感染症の流行状況により開館日が不定期となっております。ご来館の際は当サイトにて開館状況をご確認ください。

絵画小企画展の「四季の使者―画家をとらえた草花たち―」とテーマを合わせ、
収蔵品の中から草花をまとったように絵付けをされた焼物を展示。
花がほころび始めるこの時期に、焼物からも春の慶びや生命の力強さを感じてください。

桜が咲き始めました

春一番の後の陽気で、美術館前のソメイヨシノが少しずつ咲き始めました。
桜の開花を迎えると、安堵感というか冬の間に知らず知らず力んでいた身体がふっとゆるんで心身ともに軽くなる気がします。

ソメイヨシノが満開になる頃には御衣黄桜の蕾が膨らんできます。
枝先に一つ、すでに開きかけている蕾もありましたが、
全体的にはようやく芽吹いてきた硬い蕾がまだらに出ているかんじです。

この3連休は開館しておりますので、ぜひ「カンヴァス・フライト展」シリーズの最終章、「山物語」とあわせて桜もお楽しみください。

小企画展「四季の使者―画家をとらえた草花たち―」

〈企画展名〉四季の使者―画家をとらえた草花たち―

〈会期〉2022年3月28日(月)~7月10日(日)の土曜日・日曜日
※新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、平日は休館いたします。

〈概要〉
 花々の澄みきった花弁の色彩、人間の手では生み出すことのできない美しい造形、忘れ得ぬ芳香、そして限られた命のなか精一杯咲く様子は、太古より多くの芸術家の心をとらえてきました。その結果植物にインスピレーションを受けた美しい文様や、植物を描いた多くの名画が生み出されてきました。
 当館の所蔵対象である鹿児島ゆかりの画家達も、身の回りの花々を描いた作品を数多く残しています。制作から数十年が経過してなお、花の生命は今でもカンヴァス上で輝き続け、また制作中の温かな雰囲気を伝えているようです。
 本展ではこれらの絵画作品から25点を展示いたします。植物を描いた芸術作品の良さを改めて味わい、また作品に反映された画家それぞれの美意識に触れていただければ幸いです。

NHKBS1「DESIGN TALKS Plus」に指宿長太郎焼が紹介されます。

指宿長太郎窯元より、テレビ番組出演のお知らせです。
何と、NHK World Japanにて放映中の番組「DESIGN TALKS Plus」にご出演とのことです!

「DESIGN TALKS Plus」とは日本全国のデザインを紹介する番組です。
NHK World JapanとBS1で英語版、Eテレで日本語版が放送されています(日本語版は後日公開予定)。
今回の放送では氷裂文シリーズ黒千代香タノカンサァTenoutuwaシリーズといった指宿長太郎焼の作品の魅力、そして作品に込められた思いを知ることができます。

放送日時は次の通りです。

BS1 3月10日(木曜日) AM4:30

また、オンデマンド放送でもご視聴いただけます(会員登録不要・無料)。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/designtalksplus/20220120/2046163/
(NHK公式サイトへ移動、再生ボタンをクリックすると開始されます)

この機会にぜひ、ご覧ください。

第3回やきものお話会を開催しました

指宿長太郎焼窯元・有山禮石さんによる第3回やきものお話会を、2月13日(日)に開催しました。
最終回となる今回は、近代陶芸と現代陶芸のあゆみや、公募展の思い出についてお話いただきました。

会場風景
指宿長太郎焼窯陶主・有山禮石さん

今回のお話で、「陶芸」という言葉は実は比較的新しい言葉であることを初めて知りました。昭和6年(1931)京都出身の陶芸家・河村蜻山(かわむら せいざん)が日本陶芸協会を立ち上げたのが初出だそうです。
今日私達がイメージする「陶芸家」が、実は新しい概念であるということを、近代陶芸と現代陶芸の解説を通じて知ることができました。

近代陶芸は幕末の万博出品に始まる、海外の目線や文化との接触をきっかけに発展を遂げたといわれます。
富本憲吉(とみもと けんきち)や楠部彌弌(くすべ やいち)・板谷波山(いたや はざん)といった、全ての制作工程を自らが手がける「作家」(=陶芸家)が誕生し、東洋陶芸の伝統や西洋美術、あるいは彫刻や絵画といった陶芸以外の美術に学ぶことで、創造性あふれる作品が生み出されました。
それまで日本のやきものづくりは個別の工程を得意とし、製品の質が均一であることを重視する「職人」による分業制で成り立っていましたが、彼らの出現を機に次第に変化を遂げたそうです。

そして第2次世界大戦後に端を発する現代陶芸になると、戦争前とは全く異なる新たな価値観に基づいて創作活動が行われるようになったそうです。
かつては焼き場(作品を焼成する場所)を女人禁制とする窯元も少なくなかったようですが、現代では女性の陶芸家も珍しくなくなりました。
また、一人の作家で制作工程を一貫して行うことが当たり前となり、今日の「作家」像が確立された、というお話でした。

ご自身の作品が掲載された「日展ニュース」を示しながら
解説される禮石さん

加えて、公募展の思い出についてお話いただきました。
公募展の審査員を務める際は、勉強会に参加して事前に出品者の作風把握に努めていたこと、審査の際は5回見直しを行っていること、また公募展は初入賞後が難しいなどなど、作家さんならではのエピソードを伺うことができました。

※「博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に基づき、参加者の検温、人と人とが触れ合わない間隔の確保、定期的な換気などの対策を行った上でイベントを実施しています。

臨時休館のお知らせ

当館では新型コロナウイルス感染拡大予防のため
1月27日(木)から当面のあいだ臨時休館いたします。
再開日につきましてはホームページでご案内します。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

第2回やきものお話会を開催しました

 1月9日、指宿長太郎焼窯元陶主・有山禮石さんの第2回やきものお話会を開催しました。
 今回は「釉薬の話」と題し、釉薬の基礎知識や配合方法、長太郎焼鉄釉の作り方等についてお話いただきました。

 はじめに前回の復習もかねて、禮石さんの解説のもと焼物の制作工程DVDを視聴しました。

 次に、展示作品の釉薬について解説頂きました。
 禮石さんの代表作の一つである「氷裂文シリーズ」作品(手前右)は流氷を表現した白い釉薬部分のシャープな印象、そしてその流氷部分と紺色下地のコントラストが印象的な作品ですが、今回その流氷部分の焼成前見本をご持参頂いた上で、ご解説頂きました。
 一見自然に亀裂が入ったかのように見える白い釉薬部分は、実は意図的に裂け目が入れられていて、焼成しても釉が動かないよう調整されていたり、反対に紺色釉は2回目の焼成で釉薬が流れるように熔解温度が低めになるよう調合されていたりと、作品の美しさが経験と緻密な計算に支えられていることを知ることができました。

 釉薬の奥深さ、そして不思議さについて再認識した時間でした。
 例えば「辰砂釉長首花生」(リンク先「長太郎焼」に画像がございます)の緑色は銅によるものですが、辰砂釉部分の上に施釉しないとこの緑色は出ないそうで、単独で白地に施釉すると赤くなるそうです。
 また、蛇蝎釉は釉薬・下地の微妙なバランスにより成り立つ製品であるため、冬季は焼成に適さないそうです。

 最後に、今日主流である釉薬の調合方法・ゼーゲル式について説明頂きました。
 ゼーゲル式とは化学式を用い、釉薬に含まれるアルカリ成分、アルミナ成分、シリカ成分の割合から釉薬の溶け方や性質を割り出すものです。窯場での事例を交えた丁寧な解説から、思い通りの釉薬を作り出すには釉薬に対する化学的な知識、豊富な経験を要すること、それを知った上で作品を鑑賞するとより鑑賞を楽しむことができることを学ぶことができました。

 なお、第3回やきものお話会は定員に達しましたためご予約を締切りましたが、今後のイベント開催の際は当ブログにてご案内いたしますので、引き続きご覧頂けますと幸いです。