「沈家伝世品収蔵庫」再開館記念

薩摩焼の名門、沈壽官窯より「沈家伝世品収蔵庫」のリニューアルを記念した
講演会のご案内を頂戴致しました。
NHK教育テレビ「日曜美術館」の司会を務められている、
姜尚中氏をお招きしての講演会を開催されるそうです。

【沈家伝世品収蔵庫開館記念講演会】
日時  平成23年4月17日(日) 午後2時より(受付 午後1時より)
会場  日置市立美山小学校体育館
講師  NHK日曜美術館 司会者 姜尚中氏
入場料・詳細についてはこちら

【沈家伝世品収蔵庫オープニングカット】
日時  午後3時半より
場所  沈壽官窯内 伝世品収蔵庫

新緑の眩しいこの季節に美しい美山の里で姜尚中氏のお話を聴き、歴代の作品を鑑賞する…
とても贅沢な時間が過ごせそうですね。

祁答院町藺牟田地区「田の神戻し」

【開催日】平成23年4月10日
【開催地】薩摩川内市祁答院町藺牟田地区

祁答院町藺牟田地区で行われた田の神講(田の神戻し)を見学してきました。
田の神講は、田の神さぁの年に1度の引越しです。
田の神さぁは五穀豊穣だけではなく子孫繁栄の神様でもあるので
(田の神さぁの後ろ姿を見るとよく分かります)
その集落の新婚家庭に宿を移していくのだそうです。


出発前に綺麗にお化粧を施してもらい
青竹で編んだ籠に乗り


季節の花で籠を飾ってもらい、準備完了です。


顔にヘグロ(すす)を塗って田の神さぁに扮した青二才(青年)たちが


講宿さん(田の神さぁの宿主さん)のお宅の庭で
鐘とホラ貝の音に合わせて舞を舞い、


そして…
観客に容赦なくヘグロを塗ります!


このヘグロを塗られると
1年間無病息災で過ごせるそうです。

その後も場所を変えて同じく舞を舞い、観客にヘグロを塗ってまわります。


集落を回る際、小豆入りのお餅(写真右)をワラつと(写真左)に入れて
田の神さぁの乗る籠にぶら下げ
竹筒には焼酎を入れて、まわる先様に差し上げるのだそうです。

最後に今年の講宿さんのお宅へ無事にお引っ越しとなります。

毎年4月10日に開催されるそうなので、興味のある方はぜひ見学に行ってみて下さいね。

ちなみに…
これは当館前の辻の堂後公民館に鎮座している当地区の田の神さぁです。

御衣黄 咲きました。

満開だったソメイヨシノは先日の雨で散り始めましたが、
当館駐車場に植えてあるもう一種の桜『御衣黄(ぎょいこう)』が花を開きました。

一見、若葉かと思うような瑞々しい薄黄緑色の八重桜です。
日が経つにごとに薄黄緑色の花弁が濃いピンクに染まり、
一番美しい姿になると花冠ごと地に落ちて散ります。
その頃の木の下はピンクの花のじゅうたんを敷き詰めたように美しいのです。

薄黄緑色の瑞々しい姿からピンクの可憐な姿へと変わり、散った姿もなお美しい。
多様な顔を見せてくれるとても珍しい品種の桜です。

良いお天気も相まって、今朝は早くからお散歩中のご近所の方や
近隣施設にみえる方々が御衣黄の姿を写真に撮っていらっしゃいます。

美術館にお越しの際は、是非こちらもご覧になってお帰り下さいね。

白貝

写真のお菓子は谷山銘菓「白貝最中」です。

当館が所在している谷山は昭和40年頃まで砂浜が広がっていました。
ちょうど今頃の時期になると砂浜で「白貝」が沢山採れていたそうです。
その「白貝」を模して作られたのが白貝最中です。

それにしても、
「白貝」って聞きなれない名前です。
谷山でそんなに採れていたなら
今でもどこかで採れたり
食卓に上がっていてもおかしくないはず。

この最中のモデルになった白貝を食べてみたい!
そう思ってここ1年、
スーパーや鮮魚店で白っぽい貝を探しましたが
白貝という貝を見つけることができませんでした。

きっと昔から白貝は採れたはずたから
谷山の草野貝塚から白貝が出土しているかも、
「ふるさと考古歴史館」に探しに行ったこともありました。

それでも「白貝」は見つからなかったので
白貝最中を作っている小迎菓子店の奥さんに
白貝を扱っている鮮魚店を紹介して頂き、
先日ついに念願の白貝を食することができました!

これが白貝です。

なんと、バカ貝(青柳)のことでした。
確かに草野貝塚からは沢山バカ貝の貝殻が出土していました。

ちなみに、後日スーパーで「舌貝」という名前で売られているのを見かけました。
火を通すと長い舌が出てくるからでしょうか。

最中の白貝は、ご主人が丹精込めて練り上げた3種類の餡があって
とっても美味ですよ。

追記(2013.10.17)
 残念ながら谷山の区画整理に伴い,小迎菓子店は閉店となりました。
 

描かれた鹿児島の名所展

次の企画展は、新幹線開通ということで篤姫以来、再び鹿児島が脚光を浴びていることから、鹿児島の名所を描いた作品を展示いたします。桜島、霧島、指宿、磯庭園をはじめとする有名どころから、奄美の漁村風景や野間池、加世田の小湊など知る人ぞ知る風景、またシラスや赤ホヤ層など鹿児島ならではの地層を描いた作品などさまざまな作家の目線から鹿児島の名所をお楽しみいただけます。4月1日(金)までは、展示替えと年度末の館内整理につき休館いたします。

第4回ギャラリートーク

出羽慎一さんによるギャラリートークも本日で第4回を迎え、最後の回となりました。本日もたくさんのお客様にご来館いただき誠にありがとうございました。

最終の回とあって、本日は特に県外からのお客様が多くお越し下さいました。ギャラリートーク後は、出羽さんとゆっくりお話ができるとあって皆さんそれぞれ楽しい時間をお過ごし頂けたご様子でした。出羽さんの作品の魅力はもちろんですが、ご自身のお人柄や姿勢が多くの人を引き付け、作品にも表れているのではないか、と改めて感じた一日でした。

『桜島 海底に流れる時間』も残すところ明日の一日になりました。終了してしまうのは名残惜しいですが、あと一日、鹿児島湾の世界を満喫したいと思います。

ギャラリートーク

お疲れさまでした。

当館の理事長(三宅病院院長)が医療支援のため被災地に派遣されておりましたが
昨日任務を終えて帰鹿しました。

被災地では、今は専門的な知識や技術を持った人たちが必要とされる時期ですが
私たち一般市民がここ鹿児島でできること
今後力になれることはたくさんあると思います。

これから復興までに膨大な時間と費用を要するでしょう。
その時その時自分にできることを考えて
微力でも協力を続けていきたいと思います。

錦江湾の色

「桜島 海底に流れる時間」展も残すところ1週間あまりとなりました。

さて、今日は錦江湾の海の色のお話です。

写真展のチラシに掲載している「ミナミハンドウイルカ」と「アカオビハナダイ」の写真。
同じ錦江湾なのに海の色が違うことに気が付きましたでしょうか。

ミナミハンドウイルカは「青」
アカオビハナダイは「緑」です。

海の色というと普通イルカの写真のような青をイメージしますよね。
でも、なぜアカオビハナダイの方は緑なのか…。

錦江湾は季節によって海の色が変わり
青色は冬の色、緑色は夏の色、なのだそうです。

夏になると植物性プランクトンが豊富に繁殖し
その葉緑体が日光に透けて見えるので夏は海の色が緑色になるそうです。
出羽さんはこの錦江湾の夏色を「錦江湾Green」と名付けています。

私たちの日常にある四季折々の色に、地元ならではの名前を付けたら、
季節の移ろいが楽しくなって素敵ですね。

楽しみですね

日曜日とあって、今日は県外からのお客様が多くご来館くださいました。
出羽さんの写真展を楽しみに、
週末のお休みを利用してご来館下さっているのだそうです。

『九州新幹線が全線開業すればもっと鹿児島が近くになるから、来月また来たいなぁ』
と言ってくださる方も。

九州新幹線の全線開業もいよいよ来月に迫りました。
新車両の『さくら』のボディカラーは、日本の伝統色の【白藍】(しらあい)という色です。
藍色の中で最も薄い色なのだとか。
薄い水色、といったイメージの色でしょうか。

その車体が桜舞う九州路を駆け抜ける姿は、さぞや美しいでしょうね。

来月『さくら』に乗ってご来館下さるお客様もいらっしゃることでしょう。
県外の方々と交流できる機会が増えると思うと、とても楽しみです。

現代陶芸薩長展 in 鹿児島

NPO法人伝統白薩摩研究会より企画展と特別講演のご案内をいただきました。
「現代陶芸薩長展 in 鹿児島」

会 期:4月20日(水)〜5月5日(木)
会 場:鹿児島県歴史資料センター黎明館2階第二特別展示室
入場料:一般500円(高校生以下無料)

タイトルからお察しいただけるとおり
薩摩焼(鹿児島)と萩焼(山口)の現代作家による合同作品展です。

「一楽二萩三唐津」と言われ、日本を代表する名陶の一つの萩焼。
日本国内はもとより海外でも「SATSUMA」と呼ばれ高い評価を得た薩摩焼。
共に起源は豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄慶長の役)で
朝鮮から連れ帰った陶工によるものです。
同じルーツを持ちながら、
それぞれに進化を遂げた薩摩焼と萩焼の名品が一堂に会します。

また、初日には萩焼の名工12代三輪休雪先生の特別記念講演も開催されるそうです。

演 題:「陶のロマン」
開催日時:4月20日(水) 
    午後2時会場 
    午後2時30分開演
会 場:鹿児島県歴史資料センター黎明館 2階講堂
入場料:無料

先代の11代三輪休雪氏は重要無形文化財保持者(人間国宝)でもあり、
貴重なお話を伺える機会となりそうです。