「春の常設展」から:「神女誕生」

開催中の「春の常設展」展示室の一番奥には
S100号(1辺162㎝の正方)のとても目を引く作品2点を展示しています。
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2点とも前畑省三の作品で
左が「神女誕生Ⅰ」(1981年作)

右が「神女誕生・パーントゥⅣ」(2001年作)になります。(作品解説→

1981年から2014年にかけて描かれた「神女誕生シリーズ」の初期と中期の作品です。
画面に吸いこまれそうな神秘的な雰囲気のあるこのシリーズは,
奄美から沖縄諸島にかけての信仰がテーマとなっています。(パーントゥ→

ロビーの吹き抜けには「いのちの誕生」シリーズの2014年作を展示しています。
併せてご覧ください。作品解説→
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なお、現在 奄美大島の田中一村記念美術館では
「前畑省三展(琉球弧の祈り~前畑省三「神女誕生」シリーズから~)」が開催されています。
5月15日(日)14:00~前畑省三氏による作品解説が開催されるそうです(参加無料)
解説を聴いて,奄美の文化と併せてご覧いただくと,作品からのメッセージがより伝わることでしょう。
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連携展示のご案内

この秋 鹿児島県内の美術館などでは
鹿児島県歴史資料センター黎明館で開催中の「近代かごしまの美術」
連携した展示を行っております。
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連携施設は当館をふくめた以下の10施設です。
1.鹿児島県歴史資料センター黎明館
2.鹿児島市立美術館
3.長島美術館
4.児玉美術館
5.陽山美術館
6.松下美術館
7.鹿児島大学付属図書館
8.鹿児島県美術協会(会場:山形屋)
9.山形屋
10.三宅美術館

ぜひ連携施設の企画展も併せてご覧ください。

 

佐川敏子展のご案内


佐川敏子「夏みかん」三宅美術館蔵

佐川敏子(1902〜1973)は独立美術協会の女性第一号会員であり
当館で開催中の「抽象的なかたち展」のポスターに掲載している作品の作家
中間冊夫の夫人でもあります。

明治35年東京に生まれ,東京女子大学から1930年協会洋画研究所に学び,
小島善太郎に師事しました。
昭和16年に女性初の独立美術協会会員となり,中間冊夫と公私共によきパートナーでした。

その佐川敏子の作品展が東京南青山の始弘画廊で開催されています。
このような機会はなかなかありませんので
ご都合の合う方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
また16日からは国立新美術館で佐川敏子や中間冊夫が所属していた
独立美術協会の独立展が開催されますので,併せてご覧いただくと面白いと思います。

第1回薩摩焼伝統工芸士会展

ただ今開催中の「歴代長太郎展」ですが
展示スペースの関係で,期間を3回に分けて展示替えを行います。

指宿長太郎 禮石氏の作品は
平成26年1月4日〜2月17日に展示となりますが
禮石氏の新作は現在山形屋画廊にて開催中の
第1回薩摩焼伝統工芸士会展にてご覧いただけます。

ぜひ足を運んでみて下さい。

錦江湾の色

「桜島 海底に流れる時間」展も残すところ1週間あまりとなりました。

さて、今日は錦江湾の海の色のお話です。

写真展のチラシに掲載している「ミナミハンドウイルカ」と「アカオビハナダイ」の写真。
同じ錦江湾なのに海の色が違うことに気が付きましたでしょうか。

ミナミハンドウイルカは「青」
アカオビハナダイは「緑」です。

海の色というと普通イルカの写真のような青をイメージしますよね。
でも、なぜアカオビハナダイの方は緑なのか…。

錦江湾は季節によって海の色が変わり
青色は冬の色、緑色は夏の色、なのだそうです。

夏になると植物性プランクトンが豊富に繁殖し
その葉緑体が日光に透けて見えるので夏は海の色が緑色になるそうです。
出羽さんはこの錦江湾の夏色を「錦江湾Green」と名付けています。

私たちの日常にある四季折々の色に、地元ならではの名前を付けたら、
季節の移ろいが楽しくなって素敵ですね。

鹿児島湾(錦江湾)のイクメン

近頃、イクメンと呼ばれる育児に積極的に参加する男性が増えてきているらしいですね。

実は、錦江湾にも育児をするオスの魚たちがいるんです。
中でも大変珍しい子育てをするのが「マダラギンポ」

このマダラギンポは体調が5cmほどの、手の小指くらいの小さなの魚です。
メスが産んだ卵に、孵化するまで胸びれを仰いで新鮮な海水を送り続け
なんと孵化した子供たち(仔魚)を口に含み
外敵のいないタイミングを見計らって放出してあげるのだそうです。

巣の外には、この仔魚やお父さんマダラギンポを狙って大きな魚が待ち構えているので
命がけの子育てですね。

このように仔魚を口に含んで放出してあげる子育てをする魚は
錦江湾で初めて発見されたそうです。
しかも発見したのは鹿児島大学の学生さんとか!

写真展ではお父さんギンポが子供たちを放出した瞬間の写真をご覧いただけます。
また、その瞬間の映像も併せて放映しておりますので
ぜひ貴重な子育ての瞬間をご覧ください。

2008年にはNHKの「ダーウィンが来た!」でも紹されました。
「ウラ日記」では撮影クルーをガイドされた出羽さんも登場してますよ。

余談ですが
以前のギャラリートークで、マダラギンポとはまた違った珍しい方法で
子育てをする魚「コスジイシモチ」のお話をして下さいました。
それは衝撃的な内容でした…。

興味のある方は会場で出羽さんに訪ねてみて下さいね。
今回写真の展示はしていませんが、出羽さんの写文集「桜島の海へ」でご覧いただけますよ。

 

第3回ギャラリートーク

本日は、第3回目の出羽慎一さんによるギャラリートークが開催されました。
今回も県外、県内各地からたくさんのお客様がご来館くださいました。
誠にありがとうございました。

ご来館下さるお客様はダイビングをしていらっしゃる方、写真を熱心にされている方、
錦江湾の生態系に強く興味をお持ちになった方、さまざまな視点からお越し下さっているようです。

その中でも今日は、『イルカが大好き!!』という小学生の男の子が遠方からご来館くださいました。
学校で行われた出羽さんの講演会を聴いてから、出羽さんが憧れの存在とのことで
いざ出羽さんに話しかけられると恥ずかしくて照れてしまったようでした。
それでも大好きなイルカが錦江湾で暮らしていること、
そのイルカたちを見ることができるタイミングなどを教えてもらって満面の笑みでした。
お母さんにおねだりしたポストカードは、もちろんイルカのショットが入っている『Bセット』!
同じショットが載っているチラシも大切に胸に抱えていてくれました。

いつかこの男の子が出羽さんのように、
錦江湾で大好きなイルカたちと泳ぐ日が来てくれるのが楽しみになった一日でした。

撮影秘話

昨日は撮影の際に使用する撮影機材と潜水機材をご紹介しました。

出羽さんがこれらの機材で撮影する被写体は小さな生き物が多く
中には体長5mmなど1cmにも満たない生き物もいます。
そんな小さな生き物を、カメラの画角いっぱいに撮影するには
被写体にぐっと寄らなければなりません。

今回の写真展に展示している作品は
ほとんどが被写体から20cm以内に寄って撮影しているのだそうです。
確かに、どの作品からも生き物の表情まで見てとれます。

ガラスハゼ 
全長 4センチ 
水深 40メートル

 

 

 

 

 

しかし、野生の生き物なのに、どうして人間が近づいても逃げないのでしょうか?

実は出羽さん、撮影に至るまでに大変な労力を費やしていらっしゃるそうなんです。

先ずは被写体になる個体を決め、
その個体に毎日会いに行き
人間が近づいても逃げなくなるまで慣れさせる。
その次はフラッシュの光に慣れさせる。
そして、ようやく撮影ができるようになるのだそうです。

その間、数カ月。

カメラを持って、潜って、はい撮影。
と簡単にはいかないのですね。

作品の背景を知り、改めて作品を眺めると
生き物たちから送られてくるメッセージに重みを感じます。

ご紹介した撮影秘話はごく一部。
もっと色んな撮影秘話や作品解説はギャラリートークで聞くことができます。

会期中、あと2回開催いたしますますので
興味のある方はぜひご参加ください。

ギャラリートーク 3月 5日(土)    14:00〜
         3月26日(土・最終回)14:00〜

 

潜水機材と撮影機材

「水中写真」ってどのようなカメラで撮影されているかごぞんじですか?

実は水中で撮影するカメラは水中専用のものがあるわけではなく
私たちが地上で使っているカメラに
‘ハウジング’という機材をカバーのように被せて使用するのです。

デジタルカメラでもフィルムカメラでもハウジングを被せれば水中で使用できます。

今回の写真展では、出羽さんが実際に使用されている
マクロ用とフィッシュアイ用のハウジングをお借りして展示しています。

出羽さんは水深の深いところでも撮影されるので
使用されているハウジングは水深80mまでの耐圧構造でとても重たいです。
マクロ用で8キロ、フィッシュアイ用で9キロです!

さらに、潜水機材もお借りして一緒に展示しておりますが、これがまた重たい。

総重量45キロ!

出羽さんは、ヒョイといとも簡単に運ばれるのですが、
私たちは展示の際、台車に乗せて移動させていただきました。

この装備で水深50mに20分いた後、
減圧も含め3時間ほど水中に滞在できるのだそうです。

 

潜水機材(総重量約45キロ)
  
 メインタンク    
 サブタンク   
 減圧用純酸素タンク   
 BCジャケット   
 レギュレーター   
 ゲージ(残圧計、コンパス)
 ダイブコンピューター
 (水深と潜水時間、
  体に溶け込む窒素を計算)

 

 

 

水中ではフィルム交換(出羽さんはフィルムカメラを使用)やレンズ交換ができないので
カメラを数台持って潜られるのだとか。
水中では浮力があるとはいえ、水中に持っていくまでの地上での総重量を考えると
私にはその時点でギブアップですね…。

撮影機材  
マクロ
 (生物の接写用)
カメラ:ニコンF4
レンズ:カールツァイス
マクロプラナー
100mmF2ZF

 総重量8キロ

 

 

撮影機材
 
ワイド
(景観などの撮影)
カメラ:ニコンF4
レンズ:Aiフィッシュアイ
ニッコール
16mmF2.8S
 
総重量 9キロ